農産物の商品化学ぶ
6次産業化実践で講演/県農水振興センター主催
県宮古農林水産振興センター主催のアグリチャレンジ6次産業化支援講演会が6日、県宮古合同庁舎で開催された。生産者ら農業関係者約70人が参加し、農産物の商品化や付加価値の高め方を学んだ。講師でコープおきなわ専務スタッフの石原修さんは、生産者と加工メーカー、販売業者が共同で商品を作り上げる事例を紹介し、「自ら行動して打開していくことが大切なこと」と話し、生産者が加工および流通・販売に積極的に関わる6次産業化の実践を呼び掛けた。
今回の講演会は、農産物の加工や販売など、経営の多角化に取り組む農業者を支援することが狙い。各地から多くの農家が参加して石原さんの話を聞いた。
はじめに同センター農業改良普及課が、6次産業化の概要について説明。農業者が自主的かつ総合的に2次産業(食品加工)や3次産業(流通・販売)に関わることで、「生産物の付加価値を農業者自身が得て農業の活性化や農家所得の向上につながる」などとする利点を紹介した。
これに続いて講演した石原さんは、生産者と加工メーカー、流通・販売業者が連携して取り組んだ伊平屋村における「黒糖アガラサーミックス」という菓子の商品化の事例を挙げた。
プロジェクトの目的は①黒糖産業モデルの構築②島の自立への一助③子どもたちの未来をひらく-。プロジェクトを実践したのが生産者、村、県、JAおきなわ、コープおきなわ、沖縄製粉、ホーメルなど。県立芸大はパッケージの作成と商品普及を手伝った。このようなネットワークの構築が6次産業化を実践する上で不可欠だと主張した。
宮古島における農産物の商品化についてはマンゴーの活用を提言。規格外を使用した商品開発を挙げ「例としてソフトクリームは気温から見て周年消費されるのではないかと思う」と持論を展開した。
6次産業、地域連帯の取り組みの際には「対等の関係性」を重視するよう呼び掛けた。「売る側が強い傾向にあるが、これを対等な関係にすることが重要」と話し、それぞれが共通認識を持つよう求めた。
石原さんは「自分の島に誇りを持つことがとても大切だと思う。こういった根本的な部分を組み立てないと地域興しや島興しはできないのではないか」などと話し、宮古島を見直して各地域の潜在的資源を掘り起こすよう勧めた。