職員定数削減 副市長、計画見直し示唆/宮古島市議会質疑
サービス低下を懸念/保育士不足との関係は否定
開会中の宮古島市議会(平良隆議長)3月定例会は7日、本会議を開き、市提出議案のうち予算案以外の案件について質疑を行った。市定員適正化計画に基づく職員定数を削減する条例改正案について、「職員削減が市民サービス低下につながるのでは」などの懸念を示す意見に対し長濱政治副市長は「計画通りで良いのか、事業の執行状況を見ながら考えるべきと思う」と見直しの可能性について言及。適正化計画が保育士不足の要因とする意見に対しては、「保育士をカットしているわけではない」と無関係との見解を示した。
宮古島市の定員適正化計画では、適正職員数を668人と設定し、2020年度での達成を目指している。同計画の中で、12年度の職員数は854人と設定されていることを踏まえ、現行の条例で1010人とされている職員定数を156人削減し854人に変更する改選案が今議会に提出された。
同案に対し上里樹氏は、待機児童増加の要因とされている保育士不足の問題などは適正化計画が影響していると指摘。保育士不足を臨時職員に頼っている現状に疑問を呈し、見直しを求めた。それに対し長濱副市長は、「適正化で保育士をカットしているわけではない」と適正化は保育士不足に関係性はないと主張。ただ、不足分を臨時の保育士で対応してきた事実は認め、新年度からは日給を従来の6500円から7000円に引き上げる待遇改善を行う予定であること、正職員保育士も4人の採用が決まっていることを示した。
適正化計画について、長濱副市長は、当初計画では600人としていた目標値を10~20年度計画で668人に見直したことを説明。「人がいなければ事業はできない。宮古は農業予算などは県内でも高いので、適正化計画に沿った削減で良いのか、(事業の)予算執行状況を見ながら考えるべきと思っている」との見解を述べた。
嵩原弘氏は、新年度予算が市町村合併後で最大規模となっていることや多額の事業費が繰り越されていること挙げ「職員大幅削減により予算執行ができなければ市民サービスが低下することになる。適正化の目標をスローダウンさせることも市民サービス向上につながるのではないか」と市当局に対し計画見直しを要望した。
うえのドイツ文化村の指定管理者を南西楽園リゾートに指定する議決案については、指定管理ではなく賃貸借や売買をすべきとの意見が出されたが、長濱副市長は「旧上野村が博愛の里と位置付けてきたテーマパーク。建設当時の理念を守るためにも指定管理とすることが妥当」との認識を示した。また、指定管理に向けた協定書案と指定管理候補者選定の審査内容の開示を求められたことから、長濱副市長はいずれも公開することを約束した。