一般会計は22億4177万円/多良間村12年度予算
前年度比25・3%増/沖振交付金が押し上げ
【多良間】多良間村(下地昌明村長)は8日、2012年度の当初予算案を発表した。一般会計は22億4177万円で、前年度当初と比べ4億5224万円(25.3%)の大幅増となった。新年度から創設される沖縄振興特別推進交付金で2億7000万円配分されたのが増加の主な要因。新年度は同交付金を活用して、村コミュニティー施設建設に取り組む。
新しく建設する村コミュニティー施設は、老朽化している中央公民館を建て替える事業。地域コミュニティーや、災害時の避難場所などの多目的機能を備える。新年度中の供用開始を予定している。
振興交付金では、水納島に津波避難施設を造る事業にも取り組む。同島は最も高い所が、海抜7㍍と平らな島。津波が来た場合、甚大な被害が予想されるため、同施設を建設する。建物の高さは、17㍍を予定している。
新年度は、県の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業も、スタートする。村が割引運賃カードを発行。同事業では、航空運賃が通常より約4割安くなる予定。
歳入は地方交付税の9億1500万円、国庫支出金4億4348万円、県支出金4億3126万円などの依存財源が主。村税や分担金、使用料・手数料、繰入金などの自主財源は2億2856万円で、総予算に占める割合は10.2%と低い。
歳出の項目別予算額は、農林水産業費が最も多く6億5278万円。次いで総務費の6億3842万円、借金返済に充てる公債費2億7911万円、社会福祉や児童福祉に充てる民生費2億2570万円、教育費1億4721万円-などが大きな比重を占める。
歳出を目的別に見ると、人件費や扶助費、公債費などの義務的経費は8億1957万円で総予算の36.5%。普通建設事業費や物件費、補助費などの「投資的及びその他経費」は12億6308万円と総予算の56.3%を占めた。
下地村長は「産業面では、1次産業の振興に力を入れた。震災後初の新年度は、防災機能も強化する。村制施行100周年に向けて、さまざまな事業が走り出す」と述べた。
特別会計は国民健康保健事業が1億8812万円、介護保険1億4842万円、簡易水道事業6425万円、後期高齢者医療1342万円となっている。
新規事業は、農地保全整備事業(土保利地区、事業費6000万円)▽農山漁村活性化交付金事業(ほ場整備・水浜地区、同2100万円)▽同(ほ場整備、真津阿地区、同2100万円)▽農業基盤体質強化促進事業(同1億2100万円)など。
地方交付税 各地方公共団体間の財政力の不均衡を調整するため、一定の計算方式により国が交付する。
国庫支出金 地方公共団体の事務に要する経費について、その事務内容に応じて交付する。県支出金も同様な内容。