ドイツ村指定管理者 採決持ち越し/市議会総務財政委
多額の財政負担懸念
開会中の宮古島市議会3月定例会は9日、各常任委員会を開いた。総務財政委員会(嘉手納学委員長)は先議案件として提出されているうえのドイツ文化村の指定管理者の指定について審議したが、採決を持ち越した。施設の修繕費を含む宮古島市の財政負担やパレス館の取り扱いをめぐる議論が平行線をたどり、採決に至らなかった。同案件で市当局は、南西楽園リゾートを指定管理者に指定する案を提出している。同委員会は、12日に再度委員会を開いて審議する。
ドイツ文化村の指定管理者案件については与野党を問わず質疑が集中した。南西楽園リゾートの事業計画書(案)や、同計画から予測される施設の修繕費や増設費など、施設管理にかかる市の財政負担の面で懸念する声が多く上がった。
多くの委員が、詳細な事業計画および協定書の内容を詰めて議会に提案するよう求めたが、市当局は「まずは議会で承認を受けないと相手方とそういった話はできない」と回答した。
これに対し、新里聡委員は「(指定管理は)やらざるを得ないが、とにかく中身が心配。契約後にいろいろと要求が出された場合の対応が気になる。契約期間中にどの程度の予算が必要なのかを確認しておくべきではないか」と求めた。
上地博通委員も「(指定管理者を)内定しているのだから、相手方とある程度話し合ってから議会に出すのが普通だ」と述べた。さらに「計画の遊具は作るのか作らないのか。費用は誰が出すのか。こういったことについて、はっきりと方針を決めておくべきだ」などと提言した。
これらの指摘に対し長濱政治副市長は「まずは指定管理者として議会が認めないとできない。具体的なことは互いに話し合って決めることであり、向こうの要望をすべてのむというわけではない。両者でしっかり話し合いながら決めていくことになる」と述べた。
パレス館については新里氏、上地氏のほか新城元吉氏、富永元順氏が質問。同館の老朽化に伴い、市当局が南西楽園リゾートにパレス館の収支を計画に入れないよう申し入れたことなどを疑問視した。
新城氏は「やるからには全部運営すべきで、外すのはおかしい」と見直しを求めた。富永氏は「パレス館をどう活用するかが今後のドイツ文化村を考える上での要ではないか」と有効活用するよう要望した。
新里氏や上地氏も同調した上で「パレス館だけ別に指定管理することはできないのか」と質問した。
市観光商工局の奥原一秀局長は「今後、どのようにすれば活用できるのかを検討していたい」と述べるにとどめた。パレス館を指定管理区分から外す案については「一つのテーマパークであり、パレス館を外すことはできない」と答えた。
同案件のほか、市職員の給与や定数の条例に関する条例改正案も審議。委員は臨時・嘱託職員を含めた職員数について質問し、効果的な人員配置と効率的な行政運営を求めた。