ドイツ村指定管理者 4月から南西楽園
賛成多数で可決/市議会定例会
開会中の宮古島市議会(平良隆議長)3月定例会は13日、うえのドイツ文化村を南西楽園リゾート(髙橋洋二社長)に管理・運営させる指定管理者の関係議案を賛成多数で可決した。ユニマットグループの同社は4月1日から3年間、周辺のリゾート施設を生かしてドイツ文化村への集客を強化する。施設の拡充整備については市と協議して決定、その上で必要となる修繕費や増築費は市が負担する。同社の事業計画案では、公園としての環境整備や新しいアトラクション施設の導入を図り、集客力に優れたテーマパークを目指す方針が示されている。
本会議では、総務財政委員会の嘉手納学委員長が審査の結果を報告。「原案可決」とした上で①施設の増設、改築等については事業計画の範囲内とする②パレス館は、市および指定管理者が協議の上、早期に運用方針を決定し、運用する③地域住民の利用について制限があってはならない-とする要望を付け加えた。
報告に対する質疑で亀濱玲子氏は「要望の内容は(市と南西楽園リゾートが結ぶ)協定書に盛り込めるのか」と質問。嘉手納委員長は「議案に対して条件を付すことはできない」と述べ、協定書の内容は、最終的には当事者である市と会社双方の判断に委ねられることを説明した。
討論では上地博通氏、真栄城徳彦氏が賛成の立場で、上里樹氏、亀濱氏が反対の立場から意見を述べた。
上地氏は「このままではドイツ文化村は埋もれていくだけだ。民間の力を借りて活用する方が良い」と述べ、指定管理者の指定によって民間の力を生かせる利点を強調した。
真栄城氏は「ドイツ文化村を効率的、機能的に運営することが大切であり、そのためにはプロフェッショナルの組織が必要。このテーマパークを守るためには施設を機能的に動かさなければならない」と述べた。
一方、上里氏は「(委員会から)3点の要望が出されているが、協定で合意されるという保証はない。今こそ原点に立ち返り、もっと検討すべきではないか」と述べ、指定管理者の指定そのものを疑問視して反対する姿勢を示した。
亀濱氏も反対し「市民を含めて検討委員会を設置し、まずは市がしっかりとした方向性を示すべきではないか」と述べた。
同案件をめぐっては最終的に多数決が行われ、賛成多数で可決された。南西楽園リゾートの具体的な運営方法および事業計画については施設の拡充整備を伴うため、市と協議して取り決める。市が南西楽園リゾートに支払う指定管理委託料は年間2550万円。
この日の本会議では、2011年度の一般会計や特別会計の補正予算議案7件も審議し、いずれも全会一致で可決した。一般会計補正予算は歳入歳出予算の総額にそれぞれ16億9000万円を追加、歳入歳出予算の総額は353億6100万円となった。