豊見山氏の教育委員再任否決/多良間村議会
観光課設置も全会一致で
【多良間】多良間村議会(西平幹議長)は15日、豊見山正現教育長の教育委員への再任を求める人事同意案を全会一致で否決した。多良間中学校の設備工事費の一部が出納整理期限(5月末)を過ぎて支払われた事務ミスや、これが2010年度一般会計決算の不認定につながったことに反省が見られない、などを理由に挙げた。観光課を設置する条例案も時期尚早として全会一致で否決した。同議会3月定例会は、ヤシガニ保護条例の一部を改正する条例案など議案を可決し閉会した。
工事代金の支払い遅延問題は昨年7月14、15日に実施した例月現金出納検査で発覚した。金額は約1700万円。6月30日に施工業者に支払われ、出納整理期限より約1カ月遅れだった。
豊見山氏の教育委員への任命を求める議案には、本村健次氏が反対討論を行った。本村氏は「2010年度の決算が、工事費の支払い遅れなどを理由に不認定となった。その後、約6カ月何も進展がなく、誠意が見られない。担当職員や教育長に何らかの処分があってしかるべき。綱紀粛正のために、全会一致で否決することになった」と話した。
多良間村では07年度まで観光課があったが、08年度に行財政改革の一環として課の統廃合が行われ、同課は総務財政課に統合された。
下地昌明村長は観光課の設置に関し、観光産業の一層の発展に取り組む必要があることや、沖縄21世紀ビジョンでも、その方向付けがされていること-を提案理由に挙げた。議案質疑では「観光課の設置は、急を要する課題ではない。行財政推進委員会でも審議されず、議会とも話し合われていない」などの反対意見があったという。
ヤシガニ保護条例の違反罰則規定は、現行の「10万円以下の罰金」を「5万円以下の過料」に改めた。捕獲禁止サイズは「甲長8㌢(1斤以下)」を「8㌢以下または600㌘以下」に変更。ヤシガニの保護は、保護区を設けることなく広報活動によって周知することにした。