市商業地前年比3.2%の下落/12年地価公示
4年連続で県内最大の下げ率
【那覇支社】国土交通省が全国地価公示価格を発表したのに伴い県は22日、2012年地価公示結果(1月1日現在)を公表した。宮古島市の商業地(平良字下里西里61番外)は県内商業地の中で最も下落率が大きく、前年を3・2%(1400円)下回り1平方㍍当たり4万2200円だった。また、下落率2位も市内では最高値の商業地(平良字西里羽立391番外)で、前年を3・1%(2000円)下回り1平方㍍当たり6万1500円になった。市内商業地の下落率は4年連続で県内最大。県内地価は20年連続の下落だが、下落幅は2年連続して縮小した。
同市は住宅地でも下落傾向が続いており、下落率は県内でも高位につけている。平良字西里前比屋273番が変動率4・1%減で下落率3位。1平方㍍当たりの地価は3万7100円となった。また、平良字下里大原842番1は同3・8%減で下落率4位。同単価は3万3000円だった。
市内の地価は標準地8地点で、いずれも前年を下回っており、下落に歯止めが掛けられない状況だ。
県代表幹事の大嶺克成不動産鑑定士は宮古島市の地価下落について、「農業と観光が主な産業であり、地域経済の悪化を緩和する他のクッションがない」と説明。同市の人口減少の著しさを指摘した上で、「人口は基本的に宅地需要に影響するため、人口減少が土地取引の鈍化を招く一番の要因になっているものと考えられる」と分析した。
県全体の地価は1991年をピークに、商業地で21年連続、住宅地で17年連続して下落し、全体では20年連続の下落が続いているが、下落幅は昨年に引き続き2年連続で縮小した。
県内住宅地は、那覇市の新都心地区2地点で上昇に転じた地点も現れ、県内観光入域客数の増加に伴い、県内景況に一部改善の動きがみられることや、横ばいとなった地点が増加したことで、一部地域での持ち直し傾向がみられた。
また、商業地では郊外型大型店舗などの影響で既成商業地が空洞化していることや、商業用不動産投資需要が減退していることから下落傾向にある。
県内地価は住宅地で1・1%、商業地で1・4%、市街化調整区域内宅地で1・5%と、それぞれ下落し全用途では1・1%下落しているが、九州の中でも下落率は低い。大嶺代表幹事は県内の土地取引は、東日本大震災発生による影響を受けていないと分析し、人口増など「潜在需要が増加する要素を持っている」と話した。
県内地価の最高価格(最上位標準値)は那覇市久茂地3丁目の日本生命那覇ビルで1平方㍍当たり71万8000円だった。