残金7億4700万円入金/ホテル棟売却
手続き完了 再スタート/宮古島シティ
宮古島市などが出資する第三セクター宮古島マリンターミナル(社長・下地敏彦市長)のホテル棟売却手続きは23日、落札した宮古島シティアンドリゾート(西里秀徳社長)から売却代金の残金7億4700万円の入金があり、完了した。マリン社は同日、ホテル棟の所有権を同社に移転。会社再建に向けた第一歩の取り組みは、紆余曲折を経て落着した。売却代金を返済に充ててもまだ20億円余の借金が残る同社は今後、民事再生手続きを取るか、解散するかを検討する方針だ。
シティ社は、先月24日にホテル棟を8億3000万円で落札した。入札時と売買契約時に、それぞれ4150万円の計8300万円を保証金として納付。残金の7億4700は同日、沖縄公庫と地銀3行への借金返済に充てたという。
売却したホテル(ホテルアトールエメラルド宮古島)は、96年にグランドオープンした。客室137、収容人員284人の都市型リゾートホテル。今回、経営者が変わり、再スタートを切った。
下地市長は「ホテルが宮古島の観光・コンベンションの中核施設として、市民や観光客から、これまで以上に親しまれるようになってほしい。西里社長を先頭に、職員一丸となって利用者のサービス向上に一層の精進を期待する」とコメントを発表した。
西里社長によると、96人の従業員はほぼ全員の雇用を継続した。宴会場も従来通り運営する。
西里社長は「ホテルアトールエメラルドは、行政や経済界の宮古観光振興への強い思いがありオープンした。宮古観光の受け皿として、果たしてきた役割は大きい。創業時の初心を忘れることなく、職員一同協力して頑張ってほしい」と訓示したという。