火災発生想定し訓練/ターミナルビル防火対策委
連絡、避難誘導など確認
宮古空港ターミナルビル内での火災発生事故を想定した消火と緊急避難誘導訓練が22日夜、同ビル内で行われた。レストランや売店、航空会社など同ビルに入居している23事業所から約100人が参加。初期消火活動や連絡体制、避難誘導などを本番さながらに実施し、各班との連携や一連の流れを確認した。
同訓練は市消防本部の協力を得て、ビル入居者で構成する防火対策委員会(委員長・神里恵亮宮古空港ターミナル社長)が毎年実施している。昨年9月に就航したスカイマークが初めて訓練に参加した。
同日午後8時45分、空港レストラン厨房から出火。煙感知器が作動し、自動火災報知器が鳴り響く中、消火班が初期消火を行った。しかし、初期消火は失敗し、屋内消火栓を使用せざるを得ない状況になった。
通報連絡班は火災が拡大した事を消防機関へ通報し、空港利用者客らにビルの外に避難するよう館内放送で呼び掛けた。
避難誘導班は館内で負傷者を発見、救助班が救出し、消防本部の救護班へ引き継ぎ搬送した。
訓練は約15分で終了。講評で市消防本部の前泊秀敏副士長は初期消火について「担当者から『消火器がちょっと重いな』という声が聞こえた。これは消火器をうまく取り扱っていない証拠」と指摘。いざという時のために消火器の正しい使い方を身に付けることが大切だと訴えた。避難誘導については「声が大きくて良かった」と評価した。
玉那覇博之調整官は「通報は現場を確認し、的確かつ迅速に情報を伝えたのが大変良かった」と述べた。
神里委員長は「被害が最小限度に抑えられるよう、日ごろから消火器の設置場所を確認するなど万が一に備えてほしい」と述べ、防火に対する意識向上を求めた。