目的外使用の可能性/トロピカルフルーツパーク
市、変更届けせず/一般質問で長崎氏が指摘
上野トロピカルフルーツパーク内の「生産物直売食材供給施設」が国の補助事業で建設され、その使用目的が決められているにもかかわらず同施設を賃貸借していたパラダイスプランが昨年、菓子工場としての利用変更し、それを承認した市が県に対して利用計画の変更の届け出を行っていなかったことが26日までに分かった。開会中の市議会一般質問で長崎富夫市議が菓子工場としての利用は目的外使用にあたるとして、当局の見解をただした。
指摘を受け、同菓子工場は現在、稼働しておらず市はパラダイスプランとの契約を解除していることも本紙の取材で明らかにした。
また、同パークの設置および管理に関する条例では、同施設の管理は市長が行い、設置目的を効果的に達成するため、市長が必要と認める時はほかの「公共的団体」に施設の一部を委託することができるとしているが、パラダイスプランは民間企業であることを長崎氏は指摘した。
同施設の建設にあたっては国が3分の2、旧上野村が3分の1を負担。同村は、1997年に「公共的団体」ではない農業生産法人のパラダイスファーム(パラダイスプラン)と建物の賃貸借契約を交わし市町村合併後、宮古島市となってからもその契約は更新され続けてきた。
民間企業と賃貸借契約を結んでいたことについて、上地廣敏農林水産部長は「条例に反しているとの指摘だが、確かに公共的団体ではない。農水部として今後、指定管理に向け条例、規則等の整備をして整備され次第指定管理にしていこうと思っている」と述べた。
今回の問題は、昨年10月にパラダイスプランが「みやこパラダイス」を閉園することを発表した会見で、レストランとして活用されていた「生産物直売食材供給施設」が菓子工場として活用されていることが説明された。
この利用方法について県が、目的外活用にあたる可能性があるとして市に指摘。さらに県は、市が公共的団体ではない民間企業と同施設の賃貸借契約を結んでいることも指摘した。
県によると現在は、同施設のこれまでの利用方法や菓子工場として使用変更するに至った経緯など、宮古島市に対して関係資料の提供を求めているという。
今回問題に対する国の判断は、宮古島市から示される資料を精査した上で、対応が示される予定となっている。