予告初日は発射せず/北朝鮮ミサイル
きょう以降に/市「引き続き警戒強める」
北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」名目で準備を進める長距離弾道ミサイルの発射実験は12日、発射予告期間の初日を迎えたが、この日の発射は見送った。予告期間は16日までで、天候条件などが許せば13日か14日に発射に踏み切るとの見方が強い。弾道ミサイルが上空付近を通過する予定の宮古島市では、職員を早朝から配備し情報収集に当てるなど警戒を強めた。
市の危機管理対策本部長を務める下地敏彦市長は午前6時20分ごろに登庁。発射予告時間の午前7時からは、総務部長室で連絡調整員として市役所平良庁舎に詰めている迷彩服の自衛隊員らとともにテレビのニュースで状況を見守った。
下地市長は天気予報を見ながら「朝鮮半島はきれいに晴れているね」などと述べ、天候条件が発射につながる恐れとなるだけに表情を引き締めた。
平良庁舎3階の総務課には全国瞬時警報システム(Jアラート)が設置されており、市の防災危機管理係の職員が待機し警戒した。
同階には、本土マスコミが大挙訪れ、取材活動を展開。男性職員は「早めに通常業務に戻りたいが…」と困惑ぎみだった。
一方、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地内では、PAC3の警備に当たっていると見られる自衛隊員の交代が定期的にあったほかは目立った動きはなかった。
下地市長は発射予告時間が過ぎた正午すぎには「あす(13日)以降も引き続き警戒に努め、市民に情報提供していきたい」、安谷屋政秀総務部長は「事態が収拾するまでは現状の体制を維持し、市民や観光客の安全を確保したい」とそれぞれ話した。
30代の会社員の女性は「(ミサイル発射が)いつなのか、1日中落ち着かない気持ち。テレビやラジオからの情報を注意するようにしている」と話した。
伊良部漁協組合長の友利義文さんは「生活があるし、普段通りに漁に出た。宮古島には影響がないと信じたい」と語った。