イネヨトウ異常発生/多良間村
対策会議で一斉防除確認
【多良間】多良間村(下地昌明村長)は12日、サトウキビの成長点などを食害して芯枯れ被害を引き起こしているイネヨトウの被害対策会議を開き、農薬の補助申請終了後、一斉防除を行うことを確認した。フェロモントラップ調査によると、3月の1日当たり捕獲頭数は2・32匹と異常発生の目安とされる2匹を上回った。
あいさつで下地村長は「今年収穫したサトウキビは、イネヨトウによる被害を大きく被った。これを駆除しないと、サトウキビの増産は見込めない。早急に対策を講じなければならない」と危機感を募らせた。
イネヨトウはイネ科の植物を食べる害虫で、本州以南に生息する。雌1匹が生涯に産む卵の数は、400~700個。ふ化幼虫は節部の芽や根っこから茎に入り、成長点を食べて芯を枯らす。村役場によると、約半分のキビが芯枯れしている畑も見られるという。
防除対策としては①圃場内外のイネ科雑草は発生源となるので除去する②芯枯れ茎が発生した場合は茎を深く切り取り処分する③培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤を施用する④被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う-などを示す。
多良間村の一斉防除の農薬は、「スミバッサ」を使う。農薬代金は村や製糖会社、JAが助成する。
伊是名村では昨年、イネヨトウが大発生し11年産のキビは、前年と比べ57%減産した。