22%増の28億円/12年度地下ダム予算
伊良部島への送水 17年度目指す
内閣府沖縄総合事務局宮古伊良部農業水利事業所(大梧光照所長)が進める国営かんがい排水事業の2012年度当初予算は、前年度当初と比べて5億1100万円(22%)増の28億円が計上された。総事業費523億円ベースの12年度末までの進ちょく率は、15%に達する見通し。伊良部島への送水は17年度末、事業完了は20年度を目指す。
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業は、宮古島の畑で1年中使える水量の確保と、伊良部島での宮古島と同様な水利用農業の実現を目的とする。
宮古島で使う水が、末端整備に伴い16年には不足するとの予想や、伊良部地区住民の強い要請が事業実施のきっかけになったという。
同事業では地下ダム2カ所(仲原、保良)や伊良部向けの水を自然流下させる宮古吐水槽(野原岳に建設予定)、牧山ファームポンド(伊良部島)、用水路㌔などを整備する。
仲原ダムの工事は、10年度に始まった。止水壁計画延長は2350㍍で、11年度までに完了した距離は292㍍。12年度は、290㍍を予定している。保良ダムは、仲原の完了後に着工する。
用水路は、伊良部大橋を含む宮古吐水槽から牧山ファームポンドまでの16・1㌔を優先施工している。11年度までに5・4㌔が完了。12年度は5・7㌔を予定。大橋を通る農水管は、14年度に伊良部に届く見込みとなっている。
大梧所長は「できるだけ早く事業効果が発現できるよう、市や土地改良区、県など関係機関と力を合わせて、事業を進めたい」と抱負を語った。予算増に今後、力を入れる方針も示した。