「国民の生活守れ」/TPP参加阻止
【那覇支社】TPP(環太平洋連携協定)交渉への日本の参加に反対する「沖縄の食と農とくらしを守るTPP参加阻止県民集会」(主催・食料・農林漁業・環境フォーラム沖縄)が20日、浦添市てだこホールで開かれた。農業関係者、医療関係者ら約1000人(主催者発表)が参加し、「沖縄の食と農と暮らし、地域社会を守るため、TPP交渉参加阻止を実現するまで不退転の決意で行動する」とした集会アピールを採択した。
主催者あいさつをした県農協中央会の小那覇安優会長は政府の情報開示が不十分で国民的議論もされていないことを指摘した上で、「食料安全保障、食の安全・安心、国民皆保険制度など安心して生活できる環境を守り、離島や地域経済の持続的発展を確保する観点からTPP交渉参加を阻止するため、連携し取り組もう」と呼び掛けた。
集会の情勢報告では、30日に予定されている日米首脳会談で野田佳彦首相がTPP交渉参加を表明する可能性があるとして、「交渉参加を表明することは国民に対する背信行為」であることが強調された。
激励あいさつで仲井真弘多知事は「国民理解を得ずに交渉に参加するのは、おかしい。国民合意のない協議を進めることは絶対に駄目だ」と述べ、「国は農林漁業者がきちんと生活できるような万全な対策を提示せよ」と強い口調で訴えた。
高嶺善伸県議会議長は「本県農業の基幹作物であり、離島の地域経済を守る大きな役割を担うサトウキビがTPP参加で壊滅状態に陥る。交渉参加に反対し、産業発展と地域振興に取り組みたい」と決意を表した。
各団体からの意見表明で、県医師会の宮城信雄会長は「日本が世界に誇るいつでもどこでも誰でも同じ水準の医療が受けられる国民皆保険制度を将来にわたって堅持するため、TPP参加に断固反対する」と表明した。集会はアピールを採択した後、参加者のガンバロー三唱で同交渉参加阻止への気勢を上げた。