「人と自然との調和」でシンポ/考える会
「第3集」出版記念し祝賀会も
【那覇支社】結成18年を迎える宮古の自然と文化を考える会(垣花豊順会長)は、このほど研究の成果をまとめた『宮古の自然と文化』第3集を刊行、21日、那覇市のホテルでシンポジウムと出版祝賀会を開催した。テーマは「宮古の明日を拓くー人と自然との調和を目指して」。4人のパネラーの貴重な報告を聞いたあと、第3集の出版を祝った。会場には80人余の会員らが参加して宮古の明日を考えた。
宮古の自然の恵みと島の人々の築いた文化に関する知見を深め、会員の親睦を図ることを目的に沖縄本島に住む出身者たちを中心に1995年発足した同会。さまざまな分野から各々の研究を掲載した論文集を出版してきた。第3集は16人の研究者が自然、生き物、言語、祭祀、歴史などをテーマに執筆している。
シンポジウムでは、まず垣花会長がテーマの解説を行いながら、現在の政治経済のありようを話した。「今宮古の問題点は人口の高齢と減少に伴う小中学校の統廃合、険しい自立への道があり将来像の策定が必要」としながらも、自然や歴史に学び内在する人間力に期待したいと述べた。パネラーは大城肇さん(琉球大学副学長)、豊見山和行さん(琉球大学教授)、藤田喜久さん(琉大非常勤講師)。島しょ経済学、歴史学、動物学の視点から研究内容が発表された。
引き続き行われた出版祝賀会は、とうがにあやぐの歌と踊りで幕開け、垣花会長が「宮古の明日を拓くということは沖縄・日本の明日を拓くということ」とあいさつ。元琉球大学長の砂川恵伸さんは乾杯の音頭で「執筆者の地道な研究の成果は、これからも宮古に大きな影響を与えるだろう。わが古里には魅了してやまないものがある。これからも古里の繁栄を期待したい」と述べた。