教育・文化 社会・全般
2010年8月8日(日)17:44
宮総実環境班が大賞/コカ・コーラ環境教育賞
水と食守る活動を評価/水のノーベル賞、全国銅賞に次ぐ快挙
第17回コカ・コーラ環境教育賞「次世代支援部門」の最終選考会が7日、北海道夕張郡栗山町の「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」で行われ、宮古総合実業高校の環境班が大賞に輝いた。
「小さな宮古島の100年後の『命の水』と『食』を守るプロジェクト」と題し、サトウキビと日本ソバの輪作による環境保全と食糧自給率の向上を目指した研究活動が高く評価された。
前身の宮古農林高校環境班が2004年に受賞したストックホルム青少年水大賞(通称・水のノーベル賞)、09年のストップ温暖化「一村一品」大作戦全国大会2009(主催・全国地球温暖化防止活動推進センター)の銅賞に次ぐ快挙。
奥平光さん(環境工学科3年)と池城ひかりさん(同2年)が発表、根間利菜さん、宮國裕貴君(同)が補助員を務めた。
指導した同校の前里和洋教諭は、本紙の電話取材に「地域に根差した活動と宮農時代から14間続けてきた研究成果、次世代を担う若者たちの取り組みが評価されたと思う。生徒たちをたたえたい」と話した。
発表した池城さんは「まさか大賞が取れるとは思わなかった。相手に分かりやすく伝えようと練習してきたが、練習以上の結果が出せてうれしい。この研究を継続し、私たちに引き継いだ先輩たちと一緒に喜びたい」と語った。
プロジェクトは「水、食、空間、時間」をキーワードに、日本ソバ(食)を無農薬・有機肥料で栽培し、地下水(水)を保全しながらキビの収穫後から植え付けまでの期間(時間)に、空いた農耕地(空間)で日本ソバを栽培する。そして、国内消費の多くを輸入に頼っているそば粉のフードマイレージの減少を図る。今年は約500㌔を収穫、将来的には宮古島で3000㌧の生産を目指す。
また、日本ソバの生産により、二酸化炭素(CO2)の固定能力が高いキビ生産の持続的展開を支え、バイオエタノール燃料の確保やバガス(キビの搾りかす)の炭化による地球温暖化対策を支える仕組み作りに役立てる。
「次世代支援部門」と「活動表彰部門」の2部門に全国から193団体が応募。第1次審査で、同校環境班を含む5団体を次世代支援部門の優秀賞として選出した。7日に、全国から集まった優秀団体とともに「コカ・コーラ環境フォーラム」で中でプレゼンテーションを行い同校が大賞を射止めた。
表彰式には、バンクーバー五輪などに出場したモーグル選手の上村愛子さんも参加し。環境班に活動助成金を授与した。
同賞はコカ・コーラ教育・環境財団(東京都)が環境教育・環境保全活動を行う団体を顕彰するもの。環境ボランティア活動の助成・支援を通じた環境教育・環境保全活動の促進を目的に1994年に創設された。
県内からは、同班と久米島ホタルの会(久米島町)が選ばれ、同会は優秀賞を受賞した。