誘殺灯1698基設置/可動式
アオドウガネ根絶へ/7月まで設置 関係者集い点灯式
サトウキビの土壌害虫であるアオドウガネの成虫を光りでおびき寄せて捕獲する可動式誘殺灯の点灯式(主催・さとうきび土壌害虫防除推進協議会)が25日、県宮古合同庁舎1階ロビーで行われた。今年の可動式の設置数は1698基で、固定式の464基を合わせた数は、2162基。設置期間は宮古島、伊良部、多良間島ともに7月下旬までとなっている。
アオドウガネは、その幼虫がキビの根部を食い荒らし立ち枯れや、株不萌芽の被害を与えている土壌害虫。可動式誘殺灯は、同害虫の根絶を目指し2007年、大量に導入された。
可動式と固定式を合わせた捕獲数の推移をみると11年度の数は442万匹で、08年の851万匹と比べると約5割の減少。誘殺灯の効果で、成虫の生息密度が低下している傾向が明らかになった。
点灯式では、與那嶺宏明・さとうきび土壌害虫防除推進協議会長ら6人が誘殺灯のスイッチを入れ、太陽光を電源とする電灯をともした。セレモニーには行政やJA、製糖会社の職員らが出席し、サトウキビ産業の発展を祈念した。
あいさつで與那嶺会長は「アオドウガネの誘殺頭数の増加に連動して、キビ株出の面積は年々増え、数年前まで3%台だった割合は今期は13%まで伸び、来期は20%に達すると見込まれている」と誘殺灯の効果を明らかにした。
生産農家を代表してあいさつした砂川栄・平良地区さとうきび生産組合長は「株出面積の増加は、アオドウガネ誘殺灯を設置するなど、土壌害虫防除を推進してきた成果」と評価。今後に向け「私たち生産農家は、大切な財産である誘殺灯を関係機関とともに守り、増産に向けて努力していく」と決意を述べた。
12年度の土壌害虫防除実施方針には①可動式誘殺灯はキビ畑全域をカバーするように設置し一斉防除を実施する②大量に誘殺された地域は重点防除地域に位置付けて設置間隔を狭めて対応する③故障、盗難防止のためパトロールを強化する-などを示した。宮古では、可動式誘殺灯のソーラーパネルの盗難が09年から発生し、問題化している。