貸付総額16%増の54億円/「マル経」は過去最高
背景に好調な公共工事/11年度公庫宮古支店
沖縄公庫宮古支店(喜納兼次郎支店長)の2011年度貸付総額は54億500万円(貸付件数659件)で、前年度と比べ7億4800万円(16.1%)の大幅増となった。昨年5月に襲来した台風2号の甚大な被害を受けた葉タバコ農家への貸付が6億8000万円に上り農林漁業資金が前年の約20倍に増えたのが主要因。小規模事業者を対象にした無担保・無保証人の「マル経資金」は18億3700万円(同比4億8600万円、35.9%増)と、過去最高だった。喜納支店長らが26日、記者発表した。
マル経資金は、商工会議所や商工会の経営指導員による経営指導を受けていることなどが要件となる。
増加の要因に①融資限度額の1000万円から1500万円への引き上げ②商工会議所、商工会の積極的な会員支援③東日本大震災に伴う設備資金利率の0.5%引き下げ-などを挙げた。
喜納支店長は貸付増加の背景には、公共工事などに支えられた好調な経済に伴う旺盛な資金需要があると分析している。会見に同席した宮古島商工会議所の下地信輔副会頭は、「改装資金に充てる人が多い」と話した。
砂川栄一県たばこ耕作組合長によると、11年産葉タバコの販売額は、前期と比べ約6割落ち込み、農家の資金繰りが逼迫したという。借り入れた葉タバコ農家は122人で、全農家162人の約75%に上った。
資金別の貸付実績は、マル経やセーフティーネット資金を含む生業資金が最も多く33億2300万円(貸付件数512件)だった。マル経資金の件数は254件で、生業全体の49.6%を占めた。
中小企業資金は、ホテル建設など設備資金の需要が旺盛で、前年比6億8700万円(117.9%)大幅増の12億6900万円となった。
業種別貸付実績は、建設業9億2900万円(構成比17.2%)、農林水産業8億7600万円(同16.2%)不動産業8億4000万円(同15.5%)、宿泊業・飲食サービス業8億300万円(同14.9%)-などの順となった。
貸付総額の用途別内訳は運転資金29億2300万円(構成比54.1%)、設備資金24億8200万円(同45.9%)となった。