E3事業の進ちょくなど報告/バイオエタノール
家藤博士、残渣の活用を講演/宮古島プロジェクト合同会議
バイオエタノール事業に関する宮古島プロジェクト推進委員会合同会議が6日、資源エネルギー庁など関係各省庁やりゅうせきなどから推進委員が出席し、下地農村環境改善センターで開かれた。同会議ではNEDO事業「E3地域流通社会モデルの創成とその実証研究事業」と環境省事業「エコ燃料実用化地域システム実証事業」についての報告が行われた。
酒類総合研究所の研究企画知財部門長の家藤治幸農学博士が「バイオエタノール発酵残渣酵母、蒸留残渣の有用性と高度利用の可能性」と題して講演し、残渣に含まれる酵母などの成分の活用で複合的なバイオエタノール事業を推進する必要性を指摘した。
家藤氏は「現在のバイオエタノール事業はとかくエネルギー収支に目が行きがちだが、エタノール生産過程で副産物として発生する発酵・蒸留残渣には有用な成分が多く含まれている。特にその中の酵母に含まれる有価物の抽出と商品化は産業創出につながる」と、バイオエタノール事業を円滑に推進するためには残渣の有効活用も包括し、複合的に取り組むことが必要だと強調した。さらに残渣に含まれる酵母の有用性について「酵母はアルコールを発酵するが、酵母内にはアルコール性肝炎やうつ、アルツハイマー病、がんなどの治癒(ちゆ)に有効な成分が含まれている」とこれまでの実験データなどをを示しその有用性を説明した。
一行はきょう7日、E3給油設備やバイオエタノール大規模生産設備などを視察する。