平良好児賞に砂川健次さん
対象作品は「この空を飛べたら」
第16回「平良好児賞」(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古ペンクラブ)の受賞者に宮古テレビ常務の砂川健次さん(58)=平良東川根出身=が選ばれた。選考委員長の松原清吉宮古ペンクラブ会長らが30日、市内のホテルで記者発表した。受賞の主たる対象作品はハンセン病問題をテーマにした戯曲「この空を飛べたら」。過去15年間に及ぶ戯曲創作や演劇活動も評価された。
砂川さんは「全く予期していなかった賞なので、びっくりしている。歴代の先輩たちが受賞してきた名誉ある賞は、うれしく励みになる」と感想。「今後は、平和の尊さを子どもたちに伝える創作活動に努めたい」と意欲を見せた。授賞式と祝賀会は5月20日午後7時から、ホテル共和新館2階で行われる。
「この空を飛べたら」は、沖縄県文化振興会主催の2011年第7回おきなわ文学賞二席入選作品。同会が今年2月に発行した「はなうる」に掲載された。
審査委員は松原会長、伊志嶺亮(前宮古島市長)、仲宗根將二(元郷土史研究会長)、友利昭子(児童文学作家)の4氏。選考会は28日に行われ、砂川さんを受賞者に決定した。
松原委員長は「『この空を飛べたら』は、元ハンセン病患者の体験を基に、断種問題を深く掘り下げた。ハンセン病に関する差別や偏見などの人権問題を洞察する一つの参考になると思う」と講評した。
砂川さんの作品は「この空を飛べたら」のほかに「生還・臆病者と言われた男」「海の行方」-など多い。松原委員長は「一つにまとめて単行本にしたら、後輩の励みになると思う」と本の発行を要望した。
同賞は、宮古の文学界をリードしてきた故平良好児氏(1911~1996年)の遺志を継承し、宮古における文学活動に顕著な実績を上げた者を表彰しようと1997年、平良好児顕彰会によって設立された。