開花率は全体の3割/今年のマンゴー
日照不足など影響か
2012年産のマンゴーは開花時期を終え現在、農家は摘果や玉つり作業に入っているが、県宮古農林水産振興センターがまとめた4月末までの開花率は宮古全体で約3割と去年の5割~6割に比べて大幅に低下していることが分かった。原因については昨年暮れからの日照不足と多雨、去年5月の台風襲来などが考えられるとしているが、詳しいことについては現在調査中。
今年の開花は2月下旬からピークに入ったが、3月に入っても「花の咲く率が低い」と嘆く栽培農家の声が聞かれた。大型ハウス内でも、花の出は半分以下というハウスが多く、花の咲き具合は生産量に直結することから「今年の収穫は多くを望めない」と早々とあきらめる農家もいる。
開花率の低下要因と見られる昨年11月から今年2月にかけての日照時間は、昨年11月が60・3時間(平年値112時間)、同12月が56・9時間(同101時間)、今年1月が51・5時間(同86・4時間)と平年値を大幅に下回った。また、気温や昨年5月に接近した台風2号の影響、木の剪定方法なども要因に挙げられている。
生産農家は、現在、摘果作業を進めているが、例年なら1本の木に1個から2個付ける実を、収穫量を増やすため1本の木に2個から3個付ける農家もいる。
60代のマンゴー農家は「昨年は4000個~5000個の実を付けたが、今年は300個しかない。こんな年は初めてだ。あきらめて来年にかけるしかない」とがっかりした表情で話した。
マンゴー農家は、約60戸で栽培面積は約70㌶。11年産の輸送実績は全体で約517㌧と500㌧台を突破した。昨年は7月中旬頃に出荷のピークを迎えたが、今年は出荷も遅れて7月下旬ごろピークになると予想されている。生産量は昨年実績の500㌧余を大幅に下回りそうだ。