浮き魚礁「海宝5号」設置へ/県農林水産振興センター
総事業費1億7000万円/関係者参加し安全祈願祭
県農林水産振興センター(與那嶺宏明所長)と請負業者らは12日、池間漁港で表中層浮き魚礁「海宝5号」の設置に向け安全祈願祭を実施した。県・市・三漁協(伊良部、池間、宮古島)の関係者らが参加し、海宝5号の係留安定化や表層回遊魚のマグロ・カツオ類の大群が寄り集まるよう願った。今月中に宮古島北西の沖合に設置される予定。
2010年7月に海宝5号と同タイプの表中層浮き魚礁が設置されており、今回のもので2基目。宮古では、県管理の浮き魚礁は10基目となる。
海宝5号は、最近撤去され引退した「ニライ15号」の代替のパヤオ(浮き魚礁)。FRP(繊維強化プラスチック)製の浮体は高さ7・5㍍、直径25㍍、重さ8㌧。総事業費1億7000万円。
浮体の円柱形上部の内部には、FRP製の浮き球がいくつも入っている。海面がないだ時には海面に浮くが、海上がしけて潮流が強い時は海面下に浮く仕組み。
県はこの日、バージ(台船)のクレーンで海宝5号を吊り上げ、マスコミに公開した。岸壁で見守っていた関係者らは、感動した様子でカメラを向けていた。
祈願祭の儀式後、県農林水産整備課漁港水産班の比嘉正一班長は「海宝5号がマグロなどを集める蝟集効果に期待している。漁船は海宝5号の漁場に直行できるので、燃料費削減につながる。漁師の皆さんは、これまで以上に利益を上げてください」とあいさつ。
伊良部漁協の友利義文組合長は「佐良浜の漁師はパヤオに大変お世話になっている。マグロやカツオ、シイラなどを合わせた年間漁獲高は2億円以上。海宝5号の活用で経営が安定することを願う」と述べた。