平和の尊さ考える/復帰40周年で記念集会
「てぃんさぐぬ花」を合唱/伊良部中
沖縄が1972年5月15日に本土復帰してから40年を迎えた15日、伊良部中学校(平良善信校長)で復帰周年記念集会が開かれた。生徒75人は、DVDの映像「忘れられた島の戦い~沖縄返還の軌跡~」を通して平和の尊さや不屈の政治家、瀬長亀次郎などについて考えた。
集会は、平和の尊さを深く理解するとともに、これからの沖縄を担う生徒が復帰前後の沖縄の状況や今後の在り方について学び、さらに郷土に自信と誇りを持ち「新生沖縄の創造」に意欲を高めるのが目的。
全員が、沖縄に駐留するアメリカ人が起こした事件・事故で犠牲となった人々に1分間の黙とうをささげ、めい福を祈った。次いで沖縄の愛唱歌「てぃんさぐぬ花」を合唱した。
平良校長は「第二次世界大戦後、アメリカは日米地位協定で沖縄の土地を軍事利用できるようにし、アメリカの施政権下に置いた。沖縄を統治し、日本から沖縄を切り離した。過去の米兵による少女暴行事件は、今でも耐え難い屈辱である。基地があるから悲惨な事件が起きるのだ」と基地の本質を指摘。
その上で「基地のない沖縄を世界に発信することが恒久平和になる」と強調した。
DVDは、本土復帰前後に活躍していた瀬長亀次郎を中心に制作されていた。瀬長は、第二次世界大戦後の米軍占領下の沖縄で、米軍の圧政に対する抵抗運動を展開。沖縄返還前には立法院議員、那覇市長を歴任した。
70年、沖縄初の国政参加選挙で、瀬長は衆議院議員に当選した。以降、7期連続当選。「不屈の瀬長」と評価されていた。2001年、肺炎で死去。享年93歳。