専門医2人体制に/宮古病院脳外科 最新手術用システムも導入
圏域の安全安心を確保
宮古病院(安谷屋正明院長)の脳神経外科に新たに専門医1人が加わり、4月から2人の専門医体制で診察診療と手術が行われている。同病院は昨年度末に国の「地域医療再生計画」(二次)に基づく最新の脳外科手術用顕微鏡システムの導入を要望していたが、このシステムも整備された。病院関係者は「圏域の安全安心が確保された」と喜んでいる。18日夕には2人の専門医体制を歓迎し、医師派遣に協力した福岡大学病院脳外科(井上亨教授)を招いての懇親会を市内のホテルで催した。
同病院の脳外科専門医が2人体制になったのは、同診療科が設置された1994年以降初めて。同病院で脳外科部長を務める山本聡医師に福岡大学病院から派遣された八尋龍巳医師が加わり専門医2人体制を実現した。
山本部長は「都会の阪大医学部での勤務が長かったが、より地域貢献のできる病院で勤めたいとの思いで宮古島にやってきた。総合診療をめざす島で、医師の増員は重要。手術法などを細かに考えることができ、いかなる事態にも対応できるという安心感がある」と述べ、2人体制を喜んだ。
新たに着任した八尋医師は「島の人や、一緒に働いている人の中に溶け込みやすい環境をつくってもらい、とても感謝している。チーム医療を構築できるよう宮古島での実績づくりに頑張りたい」と抱負を述べた。
安谷屋院長は医師の増員について、福岡大学病院から多大な協力を得られたことに対して謝意を表しており、「安全で質の高い医療を実現し、医師の能力を最大限に発揮してもらうためには専門医の複数体制は不可欠だ」と述べた。
また、これまで自衛隊機による急患搬送に頼らざるを得なかった島の医療状況を振り返り、「沖縄本島への急患輸送0件をめざすため、今後とも各機関の協力を得ながら病院一丸となって人材確保に取り組んでいきたい」と話した。