実習船が航行不能で漂流/宮総実生徒12人乗船、全員無事
第11管区海上保安本部によると、19日午前2時27分ごろ、那覇の南東約1000㌔の海上(沖ノ鳥島南西沖80㌔付近)で、漁業実習中の沖縄水産高校の実習船「海邦丸5世」(499㌧・金城勝船長)から、「油圧ポンプ(エンジンの一部)が故障し航行不能で漂流している。救助してほしい」との通報があった。同船には宮古総合実業高校の12人を含む生徒32人と乗員21人の計53人が乗っている。けが人などはなく、全員無事。
第11管区の巡視船「もとぶ」が救助に向かっており、きょう20日午前6時ごろ、現場海域に到着する予定だ。通報を受けた11官区は現場海域に航空機を急行させ船の状態を確認した。漂流中の船体に異常はなく、生徒も落ち着いた様子だという。巡視船とは別に門司港からサルベージ船も向かわせ、えい航に備えている。
県教育庁県立学校教育課によると、同船には宮総実海洋科学科と沖縄水産水産専攻科の生徒32人がマグロはえ縄漁実習のため、先月20日に平良港を出港した。35日間の航海実習の予定で、今月24日には帰港する予定だった。
同日午前8時に沖縄水産から連絡を受けた宮総実の下地盛雄校長は、担任を通じて12人の生徒の保護者全員に報告した。食料も確保されており、海上保安庁による救助活動も順調に進められていることなどを説明したという。
下地校長は「全員無事だということなので安心している。26、27日には帰って来られるということなので、早く全員が元気に戻ってきてほしい」と話していた。