砂川健次氏に平良好児賞/本社主催
今後の活動に期待/関係者集い授賞式、祝賀会
第16回平良好児賞の授賞式と祝賀会(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古ペンクラブ)が20日夜、市内のホテルで開かれた。受賞者の砂川健次氏(58、宮古テレビ常務)=平良東川根出身=に、宮古ペンクラブの松原清吉会長から賞詞と副賞が授与された。砂川氏は「一つ一つ積み重ね、竹の節々のごとく自然体でやってきた。支えてくれた家族や同僚に感謝したい」と喜びを語った。引き続き祝賀会が催され、砂川氏の今後の活動に期待を寄せた。
受賞の主たる対象作品はハンセン病問題をテーマにした戯曲「この空を飛べたら」(2011年第7回おきなわ文学賞二席入選作品)。
ほかにも「海の行方」(同文学賞佳作)、「生還・臆病者と言われた男」などもあり、過去15年間に及ぶ戯曲創作やテレビ、舞台での企画、創作、演出などの活動も評価された。
授賞式では宮古毎日新聞社の平良覚社長が、同賞が設立された経緯や砂川氏のこれまでの活動をたたえ「今後ますますの活躍を期待している」とあいさつした。
選考委員を代表して宮古ペンクラブ運営委員の仲宗根將二氏は「ハンセン病問題は『らい予防法』が廃止になり、一応解決したとはいうものの、偏見や差別がすべてなくなったとは言えず、これからもあらゆる機会を捉えて偏見や差別を無くす努力が求められている」と指摘。その上で「受賞作の「この空を飛べたら」の発表、上演活動を通して元ハンセン病患者の人権を考え、人間としての尊厳の回復に貢献することを期待したい」と感想を述べた。
あいさつに立った砂川氏は「来年60歳になるが、竹の節々のごとく自然体で積み重ねて育ってきたものが受賞につながったものと思う。素晴らしい賞をありがとう」と喜びを語った。
「支えてくれた両親や家族、会社の同僚に感謝したい」と述べ、今後の活動に意欲を示した。
引き続き行われた祝賀会では、宮古島文化協会の友利吉博会長が乾杯の音頭を取ると、舞台ではバイオリンや三線、金管アンサンブルの生演奏、歌や踊りなど多彩な余興が繰り広げられ、砂川さんの受賞を盛大に祝った。
平良好児賞 宮古の文学界をリードしてきた故平良好児氏(1911~1996年)の遺志を継承し、宮古における文学活動に顕著な実績を上げた人を表彰しようと1997年、平良好児顕彰会によって設立された。宮古毎日新聞社は本社創刊50周年を機に2005年から主催を引き継いでいる。審査委員は松原清吉(宮古ペンクラブ会長)、伊志嶺亮(前宮古島市長)、仲宗根將二(元郷土史研究会長)、友利昭子(児童文学作家)の4氏が務めている。