地下水保全の取り組み紹介/日本ソバ栽培活動など
高校生太平洋・島サミット/宮総実環境班 国内外高校生に英語で発表
太平洋島しょ国など15の国・地域と国内から62人の高校生が宮古島に集い、23日に開幕した高校生太平洋・島サミット(主催・沖縄県)。2日目となる24日午前のプログラムに、地元・宮古総合実業高校(下地盛雄校長)環境班のメンバーがプレゼンターとして参加。参加高校生に向け、同班がこれまで取り組んできた地下水保全の研究内容や成果などを、すべて英語で発表した。
1997年から地下水保全についての研究に取り組んでいる同校環境班は現在、3年生3人、2年生4人、1年生2人の計9人が所属。地下水に影響を与える地中の硝酸性窒素を日本ソバが吸収するとの実験結果を基に、サトウキビ収穫後、次の植え付けまでの間、日本ソバを栽培することを推奨する普及活動などに取り組んでいる。
市中央公民館大ホールで行われたプレゼンで、環境班の下地徳智部長(環境工学科3年)らは表や写真などを示しながら日本ソバを活用した土壌中窒素吸収率の研究や二酸化炭素削減効果についての検討内容、日本ソバ茎葉部の緑肥効果試験などを英語で紹介。サトウキビと日本ソバの輪作を行うことで環境保全と農家所得向上を両立させることができるとの考えを示した上で、今後の課題として宮古島での日本ソバ生産量を年間3000㌧とすることを挙げた。
英語でのプレゼンを終えた下地部長ら発表メンバーに、サミット参加高校生らから盛大な拍手が贈られた。
下地部長らは、今回に備え1カ月ほど前から英語教諭の協力を得て、発音など英文を読む練習を重ねてきたという。大舞台での役割を終えた感想について「緊張した。もう少し大きな声で話した方が良かったようにも思うし、うまくしゃべれない部分もあったが、内容は伝わったと思う。国際会議で発表するという機会が得られたことは良かったと思っている」と語った。
環境班顧問の前里和洋教諭は「専門用語をどう英訳するかで苦労をしていたが、みんな良く頑張ってくれた。こういう場に立てたことは良い経験になったと思う」と生徒たちを讃えた。
環境班によるプレゼンの前には、沖縄大学人文学部の桜井国俊教授による講義も行われた。桜井教授は「ウオーター イズ ライフ」と題し、大洋州における水環境問題や地球温暖化に伴う海水温の上昇がサンゴ礁に与える悪影響、沖縄大学で実践している処理水の再利用、宮古島の地下水の現状などについて語った。