4月完全失業率8.9%/県商工労働部
前年同月比2ポイントの大幅上昇
【那覇支社】県商工労働部(平良敏昭部長)は29日、臨時の記者会見を開き、4月の県内完全失業率が8・9%に達し、前年同月比で2・0ポイントと大幅上昇したことについて説明した。県内完全失業率が同水準にまで上昇したのは2005年9月の集計以来、約7年振り。完全失業率は3カ月連続して上昇しているが、県は、その主要因を非労働力人口から労働力人口への推移が著しく、労働市場の需給バランスが一時的に崩れたことが要因と見ている。
労働市場のバランス崩れ
4月の就業者数は前月と比較した場合、7000人増加し61万4000人になっている。前年同月および前月と比べ完全失業率が上昇した背景には県内景気が回復基調にあり、働く意欲のある者が増え、新規就労希望者が増加したことが主要因だと県は分析している。
失業率を押し上げる要因となったのは①世帯主とその配偶者以外の者で今の仕事を辞めて新たに求職活動をしている者が増加(前月比7000人増)②これまで働いていなかったが新たに仕事を求めて求職活動をしている者が増加(同1000人増)③高校・大学を卒業後、就職できなかったが引き続き求職活動をしている者が増加(同3000人増)④職を求める女性が増加(同8000人増)-などとしている。
さらに、沖縄労働局が実施した就職支援の訓練については11年度の受講生1万9000人のうち5800人が訓練を終了したが、3400人程度は就職できずに求職活動を続けていることなどが要因に加わった。
県はこれらの求職者数の増加要因を除外した場合、完全失業率は7%前後にとどまるものとみている。また、今後の取り組みとして県は沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用した「ジョブトレーニング」や「新規学卒者パワフルサポートプログラム」などの事業を速やかに実施するとしている。
会見で平良部長は「景気自体も回復基調にあることから一時的な現象だと思われる。夏場に向けて改善に向かうものと分析しており県民には冷静に見てほしい」と述べた。