株出 大幅増の733㌶/宮古本島12-13年期キビ
土壌害虫の駆除奏功/前期比1.8倍
宮古や来間、池間島に栽培されている2012-13年期サトウキビの株出収穫予定面積は733㌶と、前期の404㌶と比べ329㌶(81%)増加したことが、沖縄製糖宮古工場と宮古製糖城辺工場の調査で分かった。夏、春植も合わせた全面積に占める割合は、前期の13%より8ポイント増の21%と2割台に達した。30数年前まで、作型の中心を占めていた株出は、復活へ着実な足取りを見せ始めた。
増加の要因に①キビの土壌害虫であるハリガネムシに有効な新農薬の登場②同アオドウガネ成虫の誘殺灯による捕獲-などを挙げている。
工場別の株出面積は沖糖が前期比130㌶(58%)増の354㌶。宮糖は379㌶と前期の180㌶と比べ、倍増した。沖糖の夏、春植を合わせた全栽培面積は1774㌶と13年ぶりに1700㌶を突破、宮糖も1705㌶と21年ぶりに1700㌶台に達した。
両工場はサトウキビ年内操業の条件に、1年1作の株、春植の面積拡大による生産量の増加を挙げており、12-13年期の株出面積増は、同条件充足へ明るい材料となった。
両工場管内の株出収穫面積が最も多かったのは1978-79年期の3192㌶。同期以降、株不萌芽の原因害虫ハリガネムシの増加に伴い株出栽培は減り続け、作型は同虫の食害を受けても順調に育つ2年1回収穫の夏植に変わっていった。
株出主流の78-79年期の全収穫面積は5520㌶で、夏植中心の10-11年期の3076㌶と比べ、約8割多かった。78-79年期の平均反収は6・8㌧と、豊作となった10-11年期の8・0㌧と1㌧以上の開きがあったが、生産量は37万4000㌧(10-11年期の1・5倍)と、広い栽培面積がものを言った。
株出栽培のメリットには①2年1回収穫の夏植と比べ土地の利用効率が良い②土地の耕起や整地、苗代が要らない-などが挙げられている。
製糖工場は栽培管理について「まずは株に肥料を与え、培土は畝間のキビの枯れ葉が腐植したころに行ってもよい。管理をしっかりやれば反収は、それなりに上がる」と話している。