ホテル棟地元企業に売却へ/マリンターミナル社
譲渡先は公募で選定/漲水社の提示条件に合意
【那覇支社】第三セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)は28日、那覇市内で取締役会を開きホテル棟の売却について協議した結果、地元企業を対象に公募する方針を決めた。現入居会社の漲水リゾート開発がマリン社に求めてきたホテルの備品・什器(じゅうき)の買い取りについては、新会社に委ねる段取り。
昨年来の両社の交渉は①従業員の継続雇用②ホテル宴会場の10年間程度継続③新会社は宮古島市に本拠地のある企業など、漲水社の提示条件を受け入れ合意に達した。
取締役会後、下地社長は「漲水社の合意書案を取締役会で説明し、了解された。今後、同内容で漲水社と合意を形成したい。8月の早い時期に双方合意のサインができる。その際、合意書はオープンにする」と述べた。
マリン社は次の取締役会で、公募要件や要項を決めて、企業を募り選定作業を進める。公募の要件に合致する企業であれば公募に参加できる。
下地社長は備品・什器の価格については、3億7000万円より低く設定されると見方を示した。マリン社が設定するホテルの売却額はまだ決めていない。
赤字が増え経営難に陥ったマリンターミナル社は�年に、賃貸料が滞るホテル棟(漲水社入居)の売却と民事再生申立を骨子とした事業再生を決定。いったんは公募によって、譲渡先候補にルートインジャパン(本社東京)を選定したが、経済不況の影響などで昨年撤退。
マリン社はその後、漲水社が求める地元企業「宮古島シティーアンドリゾート」への優先売却を巡って相対取引交渉を進めてきた。今回公募による売却が決まり、同社に限らず広く応募できることになった。