飲酒運転は犯罪/根絶へ市民大会
宣言文読み上げ誓い
宮古島市飲酒運転根絶市民大会(主催・宮古島市、宮古島警察署、宮古島地区交通安全協会)が13日、市総合体育館で市職員や公務員、事業所から約500人が参加して行われた。大会では交通事故の犠牲者に黙とうをささげるとともに、宮古島地区交通安全協会の宮里敏男会長が飲酒運転根絶宣言を読み上げ、参加者と共に根絶に向け決意と誓いを新たにした。
今年1月から6月12日現在で宮古島署管内の飲酒運転摘発件数が47件と昨年同時期と比べすでに10件増となっている。このうち42・5%が午前6時から同10時までの早朝に摘発されている。大会は飲酒運転事故の増加に歯止めを掛け、市から飲酒運転を根絶することを目標に開かれた。
下地敏彦市長は5月18日にあった市職員の酒酔い運転事故に対して、大会で「改めて深くおわび申し上げます」と述べた上で「この大会を契機に職場や地域、家庭で飲酒運転根絶の意識の高揚が図られ『飲酒運転をしない、させない』という決意を持って根絶に取り組んでいきたい」とあいさつした。
宮古島署の宮城英眞署長は「沖縄県は全死亡事故に占める飲酒絡みの割合は、2年連続して全国ワースト2。この汚名を返上することが最重要課題であるが、県内で飲酒運転の検挙件数の比率が高い宮古島から飲酒運転根絶を推進することが最も重要」と述べた。
今年1月から6月12日までの宮古島署管内人身事故53件のうち5件が飲酒運転によるもので、このうち2件が死亡事故につながっている。同時期の県内の飲酒運転による死亡事故は3件。
市民代表として意見を述べた先嶋建設の黒島正夫社長は「飲酒運転は意識の問題。早朝に摘発されていることから、酒が残るという認識が欠けている」と強調し「二日酔いにならないような飲酒をするよう一人一人に周知してほしい」と訴えた。
県宮古福祉保健所の知花誠さんがアルコールの基礎知識として、10㌘のアルコールが体内から消失するのには、通常2時間かかる。ビール中ジョッキ(400㍉㍑)1杯と30度の泡盛水割り(泡盛5・水5)を1合入りのコップで5杯飲むと124㌘のアルコールを摂取したことになり、体内から消失するのには約25時間かかると説明した。また、2009年に沖縄本島で、飲酒運転で死亡事故を起こした宮城貴子さんが「自分と同じようにみんなを悲しませ、自らも苦しむような思いをする人が一人でも減ってほしい」と、今もつらく苦しい思いをしていることを話し、飲酒運転根絶を強く訴えた。