イモ収穫 農薬散布が奏功/かんしょ講習・検討会
害虫の早期防除で/「美ら恋ベニ」が鈴なり
宮古農林水産振興センター(與那嶺宏明所長)は25日、宮古農村青少年教育センターで「かんしょ(イモ)講習会および現地検討会」を開いた。県職員や宮古島市甘しょ研究会(上地雅己会長、会員69人)の会員ら約人が参加。下地の現地検討会では、イモの葉を食い荒らす害虫エビガラスズメ(スズメガ科)の幼虫発生を早期農薬散布で防除したイモ畑が豊作、農薬散布が遅れたイモ畑が不作で明暗を分けていた。改めて農薬散布の重要性がクローズアッ
プされた。
現地検討会は、イモ畑3カ所で行われた。1カ所では早期農薬散布が功を奏し、葉は生き生きと成長。農機で掘り起こされた県の奨励品種「美ら恋ベニ」の一部が鈴なり。参加者らは、色つやが良く、大小に肥大化したイモ(塊根)を間近に見て、感嘆の声を上げていた。
イモ畑の所有者で親子で栽培する上地会長は「今年は昨年の出荷実績50㌧より20㌧多い収穫を見込む。上質のイモは人気が高い」と笑顔で語った。
一方、スミチオン乳剤散布が遅れたイモ畑2カ所では、害虫エビガラスズメの幼虫が異常発生。このうち1カ所(面積約6反)では、葉がほとんど食われ、丸坊主にされていた。県の関係者は「太いつるぼけが見られる。つるぼけは、養分過剰(チッ素最多)と多い追肥の場合に見られるが、現段階では原因は分からない。新たな葉が出るから、収穫は遅れる」と語った。
イモ畑の所有者は「イモを収穫しなけば他の農作物の作付けができない。農薬散布しながら良いイモを収穫したい」と話した。
講習会では、県病害虫防除技術センター特殊病害虫班の金城邦夫研究主幹が講師に招かれた。
金城研究主幹は、アリモドキゾウムシとイモゾウムシによるイモ食害痕と被害イモの見分け方などを説明した上で「害虫からイモを守るためには、イモを土壌から露出させないことがキーワード。イモが露出した場合、成虫がイモに直接産卵し、被害率を上昇させる」と警鐘を鳴らした。