将来の子ども像など示す/各分野ごとに目標値/市教委
人材育成を柱に/新教育ビジョンを策定
市教育委員会(宮國博委員長)の定例会が6月28日、市役所城辺庁舎で行われ、3月に答申を受けた新たな市教育ビジョン(教育振興基本計画)を承認し、同ビジョンを策定した。川満弘志教育長は「国の教育基本法改定などもあり、市としても新たな教育理念や基本方針を制定し、それを実現するための施策の策定が必要だった。これから5年間はこの教育ビジョンを基本に教育行政を進めていきたい」と述べた。同ビジョンの計画期間は、今年度から2016年度までの5年間。
同計画の基本理念は▽住む人が健康で、安心・安全な美しい誇れる島づくり▽交流と連携による活力あふれる元気な島づくり▽地域の特性が生かされ、心のかよう結いの島づくり-とし、「個性豊かな文化をはぐくみ、一人一人が輝く島」の実現に向け、事業を展開するとしている。
同ビジョンで示された教育目標としては「郷土の自然と文化に誇りを持ち、心豊かで創造性・社会性・国際性に富む人材の育成と生涯学習の振興」を基本として▽自ら学ぶ意欲を育て、学力の向上を目指すとともに、豊かな表現力とねばり強さを持つ、幼児・児童・生徒の育成▽宮古の美しい自然を守り、島の未来を拓く新たな時代に対応できる創造性あふれる人材育成-など4項目が盛り込まれた。
また、「宮古島市の子ども像」としては教育の基本理念、教育目標、アンケート調査結果を踏まえて「宮古の自然や文化に誇りを持ち、国際化時代をたくましく生きる創造性にあふれた明るい子」を将来の子ども像として目指すことが示された。
そのほか、各分野ごとの現状(2010年度)と目標値(16年度)も示された。
全国学力・学習状況調査については現状の「全国平均以下」を「全国水準」に。不登校の児童生徒の人数を現状の「42人(0・8%)」を5割減の「0・4%」にするとしている。
学校給食の地産地消の拡大では、現状の農産物「24・2%」を「30%」に。図書館サービスの充実に伴う貸出冊数は現状の「12万5070冊」を「20万冊」にすることなどが示されている。
市教委では、市町村合併や地方分権など社会情勢が大きく変化する中、教育情勢も増加傾向にある複式学級への対応などさまざまな課題への取り組みが求められていることから、市の目指す教育の目標を明らかにし、教育振興のための施策に関する基本的な計画として同ビジョンを策定した。