宮古島地方に恵みの雨/干ばつ傾向緩和 各地で10㍉以上
キビ畑潤い、農家ほっと
南からの温かい空気の吹き込みの影響で宮古島地方に23日、10㍉以上のまとまった雨が降った。まとまった雨は伊良部と多良間では43日ぶり。干ばつが緩和され、農家に恵みの雨となった。待ち望んでいた雨に、農家はほっとした表情を見せた。
各地の雨量(午後7時現在)は平良15.5㍉、城辺20.0㍉、多良間の仲筋31.0㍉伊良部の下地島空港は雨量計点検中のため、観測データはないが、気象台は「レーダーエコー図で見る限り、他の所と変わらない思われる」と話している。
干ばつ被害の大きい伊良部の農家は、タンクを載せた車で水をくみ畑にまくかん水作業に追われていたが、この日は一休みとなった。
伊良部地区さとうきび生産組合の渡久山毅組合長は「サトウキビは葉が黄化して枯れる寸前だったが、何とか持ち直した。今回の雨で反収は500㌔増える。800町歩で換算すれば、1億円に近い増収が見込める恵みの雨」と話し、ほっとした表情。
一方、「今回の雨は、2週間をしのぐ程度。トラックによるかん水体制はストップしない。タンクは降ろさないで準備しておく」と今後の対応に気を引き締めた。また「市が21日以降の申し込み分からしか、かん水補助を出さないのはおかしい。それ以前の人も対象にするよう要請する」と述べた。
城辺に住む45歳の男性は「待ちに待った雨。キビはロール現象が全般に現れ、葉の黄ばんだ畑もある。あと2週間も降らなければ、被害は深刻になっていた。干ばつ解消までには至っていない。もっと降ってほしい」と一層の雨に期待した。
まとまった雨の間隔は平良が29日、下地島空港43日、城辺40日、多良間仲筋が43日。
気象台は今回の雨は24日未明まで続き、その後は晴れに向かうと予想している。