比国の貝斧は5000~8000年前
フェイロナさん 考古学の成果紹介
フィリピン国立博物館考古学部門のパメラ・フェイロナ研究員が7日、市総合博物館で講演し、フィリピンにおける考古学の成果を紹介した。
フィリピンで6万7000年前の人骨や5000~8000年前の貝斧、10世紀ごろに造られた25人乗り程度の木造船などが発見されたなど、いにしえのロマンを語った。
人骨は沖縄最古の山下洞人(3万2000人前)より3万5000年、貝斧は沖縄の2000~2500年前より、かなり古い。10世紀の木造船の遺物は、中国や東南アジアとの貿易が盛んだったことをうかがわせるという。
貝斧に関する質問に、フェイロナさんは「フィリピンと沖縄の形はほぼ同じ。ただ、作り方が一緒かどうか、今後研究する必要がある」と述べた。バロボックで発見された貝斧が8000年前の物であることから、「人が南から北に移動した可能性もある」との考えを示した。
フェイロナさんは、島尻の長墓遺跡で発見された貝斧などが、フィリピンと関連する可能性があることから、先月は同遺跡を発掘している西九州大学の客員教授に招かれ、同遺跡の出土品を調査。6月28日~7月6日までの長墓調査を終え、市民を対象に講演会となった。