不利性解消事業の早期実施を/座喜味氏
農水産物の輸送低減化で/県議会定例会
県、「補助単価」国と調整中
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)6月定例会は9日、一般質問3日目を迎え、与党3人、野党・中立会派5人の計8人が仲井真弘多知事の政治姿勢などをただした。宮古島市区選出の座喜味一幸氏(自民)が質問に立ち、農林水産業振興に関連し、現在、国と県とで事業実施に向け協議を進めている「農林水産物流通条件不利性解消事業」について、事業スキームの詳細や開始時期について質問した。これに知念武農林水産部長が「補助単価について国と調整中だ」と答弁。座喜味氏は「マンゴーの出荷最盛期に間に合わない」として、早期の事業実施を県執行部に促した。
同不利性解消事業は、沖縄の地理的条件(本土市場から遠隔地にあること)から、農水産物の本土出荷時に輸送コストがかかることを解消する目的で実施する。貨物輸送費の補助を行い、鹿児島県並みの水準に輸送コストを低減化する事業で、今年度中の実施を予定している。
座喜味氏が同事業のスキーム(枠組み)をただしたのに対し、知念農水部長は「県外に出荷する出荷団体や生産者が組織する任意団体、中央卸売市場、地方卸売市場の卸、仲卸などの団体を補助対象者とする」と答弁した。
これに座喜味氏は再質問で、「県は農水産物を対象品目としているが、卸売市場向けでないと、いけないのか」とただした。知念農水部長は、2人以上の組織であれば任意団体と見なすことなど、制度の柔軟性などを示唆した。
座喜味氏が離島からの輸送補助についてただしたのに対し、知念農水部長は「宮古、八重山など離島と沖縄本島間の輸送コストに相当する補助単価を定め、本島と同等負担で県外出荷が行えるよう検討しているところ」と答えた。
再質問で座喜味氏は「マンゴー出荷のピークを迎えている時に、事業実施が間に合わないのは、とても残念だ」と述べ、仲井真弘多知事に早期実施の決意を求めた。これに仲井真知事は「部長答弁では大枠は固まっているようなので、国との調整をしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
このほか、座喜味氏は宮古圏域での県営公園整備事業の進ちょく状況などをただした。当間清勝土建部長が答弁し、「2012年度に基礎調査を行い、13年度に基本構想を策定する予定だ」と答えた。