キビかん水補助 15日開始/宮古島市
農家負担は1台1500円/干ばつ対策会議で決定
宮古島市の干ばつ対策会議(会長・上地廣敏市農林水産部長)が12日、市役所上野庁舎で開かれ、15日からかん水補助を実施することを決めた。10㌧トラック1台当たりのかん水費用は3500円で、市が2000円を補助、農家負担は前年度と同額の1500円とした。宮古島地方は先月の梅雨明け以降、ほとんど雨が降らない天候が続いており、サトウキビを中心とする農産物の干ばつ被害の拡大が懸念されている。
宮古島地方は先月22日から雨が降らない少雨の傾向が続いている。今月11日までの雨量は下地島の2㍉が最高で以下城辺1㍉、多良間0・5㍉、平良下里はゼロとなっている。宮古島地方気象台によると、向こう1週間はまとまった雨が期待できないという。
この少雨を受けて市が干ばつ対策会議を招集。早めのかん水補助について、委員を務める関係機関の代表らと意見を交わした。
はじめに、同会議の村吉順栄副会長(市農林水産部次長)が「少雨傾向が続いており、その対策を講じる必要がある。昨期のサトウキビは不作だったため、今期にかける生産農家の期待は大きい。干ばつ被害を最小限に食い止めるためにそれぞれの立場で協力していただきたい」と述べた。
この後、かん水補助の内容について協議。事務局提案を軸に調整した結果、1台当たりのかん水費用を3500円に設定した。
農家負担の1500円は前年度と同額だが、同年度は対策会議後に雨が降ったことからかん水は実施しなかった。このため、今年度の農家負担は2008年度以来の負担額で09~10年度の1000円に比べると500円の増額となる。使用するトラックの燃料費の上昇などが要因だ。
対策会議では一部で農家負担額の低減を求める声もあったが、最終的には農家に1500円の負担を求める補助内容を決めた。
かん水補助に当たっては沖縄製糖宮古工場と宮古製糖城辺工場の給水施設や宮古土地改良区が管理する26カ所のⅢ型給水施設を無料で開放する。伊良部地区は洲神地区と家後地区に発電機を設置して開放。
かん水作業の申し込みは各地区の原料員、伊良部地区はトラック組合で受け付ける。実際のかん水作業は同組合が実施。かん水は1農家当たり30㌃、トラック9台を1巡とし、2巡目は降雨の状況を見て実施の有無を判断する。
かん水は、夏植え種苗用や春植え、株出し圃場およびかん水施設のない農家を優先して行う方針だ。かん水に関する問い合わせは、市農政課(76・6840)まで。