キビかん水補助スタート/伊良部地区
今月初めから被害確認/対応の遅さ指摘する声も
サトウキビへのトラックかん水費用のうち、3分の2を宮古島市が負担する緊急対策が21日からスタート。干ばつ傾向が続く中、農家負担を軽減させることでサトウキビへの被害を最小限に抑えることが目的だが、今月初めからロール現象が、最近では葉の黄化も見られるなど被害の激しい伊良部地区の農家からは、市の対応の遅さや、すでに行ったかん水を補助対象外としたことに不満を示す声も多く聞かれた。
20日に設置された干ばつ対策会議で実施が決定した緊急補助。市が補助するのは、10㌧トラック1台当たり3000円のかん水費用のうちの2000円で、農家負担は1000円となる。ただし、対象となるのは21日申し込み分からで、それ以前に行われたかん水は対象外としている。
同会議では「特に 6月26日以降は小雨傾向が続いている」としているが、伊良部地域(下地島空港観測所)ではその2週間前の6月12日から雨がほとんど降っておらず、一部ほ場では7月初旬からロール現象を確認。そのころから全額自己負担でトラックかん水を行っている農家も少なくない。
2週間ほど前からトラックかん水を行っているというサトウキビ農家の渡久山毅さん=伊良部字佐和田=は「ロール現象を超え、黄化している。伊良部はため池の水を使うためスプリンクラーでの散水ができないので、ロール現象が始まった時からトラックかん水を行っている。市の補助は21日申し込みからというが、それ以前も対象としてほしい」と補助対象の拡大を要望。渡久知玄昌さん=伊良部字国仲=は「行政の対策を待っていたのでは間に合わないので、今月初めからかん水を行っている。これまでの気象情報を見て、もっと早くから対応してほしかった」と市の対応の遅さに不満を示した。
市農林水産部伊良部農林水産室の村田正憲室長は「白鳥や長山地区で被害が多く見られる。雨が降らず40日ほど成長がストップしていたことが収穫時にどれほどのデメリットが見られるか心配」と語った。