1頭平均/前回並み32万5000円
待機牛、ほぼ解消/来月から通常開催へ
宮崎県での口蹄疫発生を受け5、6月と中止していた宮古家畜市場の肉用牛競りは、8日に次いで今月2回目の臨時競りが17日開かれた。総販売額は1億7600万円で、1頭平均価格は前回比7000円高の32万5000円。平均キロ単価は1197円となった。
前回並みの価格に農家は安堵の表情を見せていた。今回の競りで待機牛はほぼ解消。来月からは定期競り(19日開催)に戻る見通し。
臨時競りは、つなぎ場や輸送コンテナに限りがあるため2回に分けた。上場牛は、来月の競りで出荷適齢期(9~10カ月)を過ぎた牛が出ないよう月齢の高い牛を優先した。
JAによると今回の競りには、生後12カ月未満の子牛551頭が上場され、544頭の取り引きが成立した。成牛の上場はなかった。
雌子牛1頭を40万円の高値で売った砂川栄市さんは「前回値を下げ心配していたが、予想以上の価格に安心した。宮崎県の口蹄疫は今後発生がなければ、26日に終息が宣言される。来月の定期競りには、多くの購買者が訪れ値上がりすると期待している」と笑顔で話した。
砂川さんの上場牛は、父を「北福波」に持つ優良牛。今回の競りでも系統や発育の良い牛は高値取引された。
去勢の体重区分別の1頭平均価格は350~399㌔が44万8000円と最も高く、発育の良い牛は高く売れることが数字で示された。
一方、「1頭32万円は安い。現状の価格で、経営を維持していくのは厳しい。農家は35万円を超えないと頑張る意欲出ない」と話す農家もいた。
購買者らは価格低迷の要因に、口蹄疫の風評被害や不況による消費の落ち込みなどを挙げた。