解散パーティー開く/博愛国際交流センター
ドイツ村を長年運営/元上野村長らに感謝状贈呈
今年3月まで19年間、うえのドイツ文化村を管理運営してきた財団法人博愛国際交流センターの解散謝恩パーティーが30日、ホテルブリーズベイマリーナで開かれた。同会には大勢の関係者が出席し、ドイツ文化村建設の背景になった「博愛」の歴史やドイツ村事業の意義を振り返るとともに、引き継いだ南西楽園リゾート(高橋洋二社長)のノウハウ活用によるドイツ村のますますの発展を祈念した。同会では、財団の運営に尽くした元上野村長らに感謝状を贈呈した。
席上、代表精算人の長濱政治副市長は「財団は役割を終えて無くなるが、うえのドイツ文化村は、宮古島市の歴史の証言者として、これからも歩んでいく」と述べ、解散は新たな出発と位置付けた。
財団の残余財産9777万円の目録を下地敏彦市長に贈呈。下地市長は「ドイツ村の補修や発展のために役立てたい」と感謝した。
市長は今後に向け、一帯のリゾート地と連動した活性化に期待した。
ドイツ村建設事業を導入した砂川功元上野村長は、ドイツ村は宮古の精神を代表する「アララガマ」と「博愛」を象徴する施設と強調。宮古の心の灯火を守るため、しっかり運営してほしいと激励した。
平良隆市議会議長は、ドイツ村は衰退していると指摘し、南西楽園の力による挽回を祈念した。
高橋社長(代読)は「財団の解散は、南岸リゾート開発と一体化しますます発展していくための発展的解消と思っている」と述べた。
うえのドイツ文化村は、1873年に宮国沖合で座礁したドイツ商船「ロベルトソン号」の乗組員を救助し無事帰国させた「博愛」の歴史をキーワードにしたテーマパーク。博愛パレス館やこども館(キンダーハウス)、博愛記念館、産業振興センターなどが完成し、96年グランドオープンした。イベントは「こいのぼりフェスト」や「ダンケフェスト」「イルミネーションフェスト」などを開き観光や地域活性化に貢献してきた。
財団は旧上野村の寄付金を財源に92年10月に設立。各施設の入場料や市の補助金を財源に管理運営してきたが、赤字続きだった。その中で、行政依存体質からの脱却や民間活力の導入を求めた公益法人制度が施行され、これに伴い今年3月末に解散した。
感謝状贈呈と永年勤続表彰を受けた皆さんは次の通り。(敬称略)
【感謝状受賞者】砂川功(元上野村長)▽高橋洋二(ユニマットグループ代表)▽川田正一(元上野村長)▽西里秀徳(元上野村助役▽垣花義一(同)▽狩俣廣一(元上野村教育長)▽川満久雄(元上野村農業委員会長)▽宮国泰一(元シースカイ船長)
【永年勤続者】砂川孝子▽宮国勝也▽熊谷真理子▽宮国シゲ子▽宮国アイ子