マングローブ環境を考える/博物館企画展
藤田喜久さん(琉大教育セ非常勤講師)が講演
第22回企画展関連講演会が4日、市総合博物館(下里典子館長)で行われた。講師に琉球大学大学教育センターの非常勤講師、藤田喜久さんが招かれ「宮古のマングローブ環境と生物」と題して講演した。藤田さんは「マングローブは汽水域に生える植物といわれているが、必ずしもそうではない。汽水域が無いところでもマングローブは生えている」と指摘し、インド洋のクリスマス島(オーストラリア領)内陸部にオヒルギなどで構成されているマングローブ林を紹介した。
博物館では現在、企画展「宮古のマングローブ環境とそこに暮らす生き物たち」(7月11~9月2日)が開かれ、親子連れや観光客らに好評を博している。展示内容は「マングローブとは?」「マングローブ植物の特徴」「マングローブ環境と生物」「マングローブ環境と人の暮らし」
藤田さんは「マングローブという言葉の由来には諸説あり、ポルトガル語の『マンゲ』と、英語で『林と木立』を意味する『グローブ』を合わせた造語であるとの説が主流。マングローブは、熱帯・亜熱帯の沿岸部の潮間帯に生育する植物の総称」と語った。
また「日本では、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシギ、ニッパヤシの7種のマングローブが分布しているが、7種とも西表島に生えている。ヒルギダマシは、日本では宮古島が分布の北限」と話した。
冒頭、下里館長は「マングローブは、私たちの生活と関係が深い。企画展と講演を通してマングローブの自然と環境を考える機会にしてほしい」とあいさつした。