推進補助金1億2800万円/沖縄型農業共済制度
農家負担金を間接支援/キビ2割、施設園芸6割相当
県が沖縄型農業共済制度の推進補助金として1億2888万8000円を決定し、県農業共済組合(比嘉俊昭組合長)に通知したことを同組合の瑞慶覧栄功宮古支所長が9日、明らかにした。「沖縄型」は台風常襲地域である沖縄の農業災害補償を充実させ、経営の安定に資する目的で創設した沖縄独自の制度。補助金は、一括交付金を活用した。
同制度ではキビ共済加入農家には、肥料の購入費や、ハーベスター使用料、キビ山搬出費などの約2割を限度に補助。園芸施設共済加入農家にはビニールやネット、農薬、骨材購入費の6割を限度に支援する。これはそれぞれ農家負担掛金の約2割、6割に相当するという。生産組合や生産部会に共済加入推進費を助成する側面支援も行う。
宮古支所によると、2011年度の支所管内キビ共済の10㌃(約1反)当たり農家平均掛金は2668円で、これをベースにすると、沖縄型による10㌃当たり支援金は586円が試算される。園芸施設のハウス1棟当たり農家掛金2万2955円に対する支援金試算額は、1万3773円となり農家負担が大きく軽減される。
実施期間はキビ共済が12年12月10日~13年3月10日。園芸施設共済が12年8月~13年3月15日となっている。加入農家は、申請書に営農資材の明細や金額などを記載し、共済組合支所に提出する。
11年度の対有資格加入率(戸数)はキビが44・4%、園芸施設が30・8%と低い。
瑞慶覧支所長は「制度内容の周知に努め、10年後の両共済の加入率を70%に向上させたい」と抱負を語った。
沖縄のキビ共済掛け金率は全国の1・3倍、園芸施設が2・8倍と高い。台風などによる過去の被害額が多いためで、掛金率の高さが、加入率低迷の一要因になっているという。沖縄型は加入者に対する農家負担金の間接的支援によって、加入率を向上させる狙いで実施する。