農水産物輸送体系の確立を/船舶での出荷提案
県出先機関、圏域市村で意見交換
宮古管内県出先機関と宮古圏域市村との意見交換会が14日、市中央公民館で開かれた。県出先機関の所長や下地敏彦宮古島市長、下地昌明多良間村長らが参加し、互いの要望に対し回答や考えを示した。農水産物輸送体系の制度的確立を求めた市に対し宮古農林水産振興センターは船舶輸送による中央卸売市場への出荷の検討などを提案した。
県出先機関と宮古島市の意見交換会は昨年、実施されたが、今回は多良間村も加えての開催となった。出先機関からは宮古事務所や宮古農林水産振興センター、宮古土木事務所、下地島空港管理事務所など8機関から所長らが、宮古島市、多良間村からは市長、村長のほか、部長、課長らが参加した。
県への要望として宮古島市は▽農水産物輸送体系の制度的確立▽航空運賃低減のための社会実験▽離島航路の拡充・強化▽県営公園の早期整備-など18項目、多良間村は▽多良間港(前泊地区)貨物保管庫の設置▽県営団地の建設-など3項目を挙げた。
農水産物輸送体系の確立については農林水産振興センターの砂川正幸所長が「マンゴーの場合、基本は空路での輸送となるので、観光客を増やし増便させることがベスト。船舶での輸送をするなら中央卸売市場への出荷を検討することもできる」との考えを示した。
航空運賃低減の社会実験については、現行条件では適用外となっている宮古-那覇間でも実施できるよう条件緩和を求めたが、宮古事務所の黒島師範所長は緩和は困難との考えを示した上で「社会実験終了後、制度を創設する際には対象が広がる可能性はある」と語った。
県営公園の早期整備では、土木事務所の平良和雄所長が伊良大橋の開通の都市計画エリアの変更など伊良部を想定するかのような発言をしたことから、下地市長は「伊良部ありきではない。宮古全体で考えている」と市の認識を示した。
多良間港保管庫建設については、平良所長がその必要性は認めながらも「事業費の確保は厳しい状況」と答えた。
県から市、村への要望としては▽個人住民税の徴収対策の推進▽学校給食での地元産農林水産物の利用促進▽伊良部大橋橋詰広場への地域振興施設設置-などが挙げられた。伊良部大橋橋詰広場について、県は市が事業主体となって取り組むよう要望したが、市は財政的な問題から困難との考えを示した。