開通遅れる見通し/伊良部大橋
台風影響でクレーン船使えず
平良港下崎埠頭に仮置きされた長さ180㍍、幅16・1㍍、重さ約1500㌧の巨大な鋼鉄製箱桁。本土復帰の日の5月15日に、伊良部大橋主航路部の中央に設置される予定だったが、つり上げるクレーン船が台風を避けて本土に帰り戻って来ないため、約3カ月間置いたままになっている。
主航路部は多良間島に行くフェリーなどが通る長山水路の上に、弓形に架かる。同所での箱桁設置工事は4月下旬から始まり、伊良部側(120㍍)と平良側(同)は、終了した。中央部(180㍍)の設置で平良と伊良部がつながれば、平良から箱桁(コンクリート製)を伊良部側に運び、設置する工事はスムーズに行く予定だった。
クレーン船は台風4号の発生を受け6月13日に平良港を出て、兵庫県の港に避難した。伊良部大橋建設現場事務所では、クレーン船を秋口にも呼び戻せないか、気象情報を収集しているが、現段階でめどは立っていない。
県の道路街路課はクレーン船の関係で「工期(2014年3月)が、遅れるのは間違いない」と話している。
伊良部大橋現場事務所は「(平良のヤードで製作している箱桁を)台船で伊良部側に運んで設置することも可能だが、費用が高く付く上に、品質にも影響する」と話すなど、クレーン船の代替は一筋縄ではいかないようだ。
伊良部大橋の供用開始は当初、13年3月末を予定していた。これが主航路部の設計遅れにより、14年3月末に1年延期された。今回、クレーン船の利用が予定通りいかず、再度遅れる見通しとなった。