仲井真知事、納骨堂に献花/宮古南静園
自治会・退所者会から要望受ける
沖縄21世紀ビジョン基本計画(沖縄振興計画)の市村長との意見交換のため来島した仲井真弘多知事は15日、意見交換会終了後、国立療養所宮古南静園を訪れ、「らい予防法」による戦前戦後の隔離政策によって、同園内で犠牲となった人たちの遺骨が納められた納骨堂で献花し祈りをささげた。また、入園者自治会と退所者の会のヒアリングに臨み、二つの会から、それぞれ要望書を受け取った。仲井真知事の同園訪問は、知事就任後初めて。
終戦記念日のこの日、仲井真知事は2009年に施行されたハンセン病問題基本法が制定されるまでの間、戦前戦後を通じ、偏見と差別に苦しんだ入所者を慰問し施設内を視察する目的で同園を訪問した。
園内自治会で行われたヒアリングでは、入園者自治会連絡員の豊見山一雄さんから「宮古南静園の将来構想実現に向けて」と題した要望書を、また、宮古退所者の会代表の知念正勝さんから「離島の退所者支援についての要望」をそれぞれ受け取った。
二つの会からの要望では、終生在園保障のための病院機能存続と医師確保など、園内の医療体制整備に向けた取り組み策を県が積極的に関与し推進するよう求めている。
要望書を受け取った仲井真知事は「ご苦労された皆さんの気持ちをしっかり受け止め、要望内容を実現していきたい。次回の訪問では回答書を持参して伺いたい」と、同要望に対し前向きな姿勢を示した。