73㌶を農地に再生/遊休地解消、着実に成果
事業推進へ協力員を委嘱/宮古島市農業委員会
宮古島市で確認された耕作放棄地(遊休地)の解消が順調に進んでいる。国の農地制度実施円滑化事業を2008年度に導入し、それ以降の3年間で73㌶(約73町)の遊休地を解消、農地として再生・活用されている。市農業委員会の野崎達男会長は「事業導入の成果が表れている。遊休地の解消によって多様な農業を展開できる」と話し、遊休地解消に伴う農業振興に期待を込めた。16日午後には12年度の平良地区農地確認調査員26人に委嘱状を交付し、一層の遊休地解消に向け決意を新たにした。
同事業は、地域における農地の有効活用の促進が狙い。国の補助を受けて▽農地の利用状況を把握するパトロール▽農地の所有者に対する将来の農業経営の意向調査▽耕作放棄地解消のための保全活動の実施▽活動に必要な協力員(農地確認調査員)の設置-などを実施してきた。
市農業委員会では年度ごとに協力員を委嘱して遊休地を把握し、その解消に努めてきた。地主への訪問活動や再パトロール、地域との話し合い、貸借、売買のあっせんを通して年々遊休地を解消している。
同委員会の調べによると事業導入年度の08年度の遊休地は約478㌶(約482町)だったが、09年度は466㌶(約470町)となり12㌶(約12町)を解消している。10年度は約431㌶(約435町)で前年比35㌶(約35町)減、11年度は同比39㌶(約39町)減となる約392㌶だった。
年々減少している遊休地について野崎会長は「解消は順調に進んでおり県内でも突出している。これも理解者が多いということだと思うし、農地調査員の協力のおかげだ」と話した。
宮古地区では土地改良による基盤整備も進んでいるため、農地は拡大傾向にある。全体で約1万1500㌶(約1万1596町)に及んでおり、多種多様な農業の展開が期待される。
委嘱を受けた農地確認調査員は9月30日までの間に3日間活動する。遊休地解消のための保全活動および農地の無断転用防止運動として現況調査を実施。活動手当ては時給650円。
野崎会長は「農業員会は調査員の調査を基に、農地所有者への指導通知および個別訪問を行う」と話して正確な調査を促した。
きょう17日は伊良部地区の調査員に委嘱状を交付する。20日は城辺、上野、下地の調査員に交付する。