文化財候補2種を決定/市文化財保護審
ミヤコジマソウ ミヤコジマハナワラビ
市文化財保護審議会(岡徹会長)は18日、市指定文化財候補の「ミヤコジマソウ(キツネノマゴ科)」、「ミヤコジマハナワラビ(ハナヤスリ科)」答申案の文言を一部修正で決定した。来月の市教育委員会答申後、市文化財(天然記念物)に指定される見通し。2種とも自生地は非公開となる。
ミヤコジマソウは、海岸に生える多年草。日本では宮古島のみに分布し、自
生地の北限となっている。花は直径約1㌢。
本土の植物学者、正宗厳敬が1935年、宮古島で調査していた時にミヤコジマソウを発見、日本では初記録となった。今年は初記録から77年。
ミヤコジマハナワラビは、シダ植物の一種。茎の先端部分から広げた葉の間から、胞子葉が伸びる。茎の高さは20~40㌢。沖永良部島以南の一部の島に分布する。
本土の植物・民族学者の田代安定が1882年、宮古島で調査中にミヤコジマハナワラビを採取、日本では初記録となった。今年は初記録から130年。田代は調査の際に幻の鳥とされるミヤコショウビンを捕獲した。
2種とも文化財に指定された場合は、地域を定めない指定となる。
この日の審議会では、市指定天然記念物(植物)の指定基準の改正(案)の議案が上程され、第6条の史跡名勝天然記念物指定基準の現行文言「珍奇又は絶滅に瀕した植物の自生地」が「珍奇又は絶滅に瀕した植物若しくはその自生地」に改正された。
審議会に先立って委員らは、2種の自生地を視察した。