補助対象品目の拡大を/生産者らが県に要望
農水物輸送コスト低減事業
農林水産物の本土への輸送費を補助する県の農林水産物流通条件不利性解消事業の説明会が21日、県宮古事務所で開かれた。農業関係機関・団体の代表や生産者ら多数が参加し、県流通政策課職員の説明に耳を傾けた。生産者らは補助対象品目の拡大を要望するとともに、輸送コストを低減する同事業の中・長期的な実施を求めた。
この事業は、大消費地から遠隔にある沖縄の輸送上の不利性を軽減することが狙い。事業費として19億5000万円を投入、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用した。
補助の内容は鹿児島県までの輸送費相当額を補助する仕組み。補助対象者は①農業協同組合または農事組合法人②漁業協同組合、漁業協同組合連合会または漁業生産組合③森林組合また森林組合連合会④農林漁業者等で組織する団体-などとなっている。
宮古の補助基準額は航空の花き・水産物が1㌔以内140円、野菜などそれ以外は同115円。船舶は全品目35円となる。
対象となる品目は野菜が▽サヤインゲン▽トウガン▽ゴーヤー▽スイカ▽レタス▽スイートコーン▽オクラ-など。花きは輪ぎくや洋ラン、スプレーギクなどとなっており、果樹にはマンゴーやパパイヤ、アセロラ、パッションフルーツが含まれている。
事業実施期間は8月1日から来年3月31日。交付申請受け付け期間は来月28日まで。補助適用期間は8月1日出荷分以降。補助金の交付時期は原則として年度末となっている。
説明会の質疑応答で生産者らは「対象品目はこれだけなのか」と話し、今年度分事業における品目拡大の可能性について県の見解を求めた。県の担当者は「今年度はこの品目だけでやらせていただきたい。今後出荷量の状況などを相談させてもらい、来年度の品目に反映できるかどうか検討していきたい」と述べた。
カボチャを生産している農家は「事業期間が来年3月31日までだが2期作の出荷は4月に入る。この分の補助はどうなるのか」などと聞いた。担当者は「来年度分の予算についても国に要求している。大丈夫だと思います」と答えた。
多良間村は、多良間島から宮古本島までの補助金額の低さを指摘。県の担当者は「輸送費の実態を見ながら次年度以降の改善を検討していきたい」と述べた。