12年間で1億8000万円減/来間部落会の現金財産残高
原告住民、使途解明を強調
来間部落会の現金財産残高が、1999年度末から今年8月までの12年余の間に、1億8489万円減ったことが、同部落会に会計帳簿などの開示を求めている一部住民訴訟の第6回弁論準備手続き(23日、那覇地裁平良支部)で分かった。今回の裁判で部落会側は、資金明細書や預金通帳の一部(写し)を開示。それによると、99年度末に2億9942万円あった残高は、今年8月9日現在では1億1452万円に減った。
同部落の現金財産は、部落有地を88年に本土企業に売った3億5000万円の売却収入が元になっている。
当初3億円余あった現金が1億円余に減ったことに関し部落会側は「その分は部落の運営費や、戸主会(ヤームトゥ)への配分、生活資金の貸し出しなどに支出した」と説明する。
原告側は「公認会計士か会計士に資料を精査してもらって、不当な支出があれば、損害賠償も視野に入れる」と、今後の出方を強調。一方、小さな島の中での争いは不利益を生む面もあるとし、「双方相談しながら円満解決に向けて、対応する用意もある」と柔軟姿勢を示す。
今回の裁判の意義については「財産運用の透明度を高め、部落の発展に公正に使う会計の仕組みづくりのためにも、使途は解明しなければならない」と述べ、未提出の89年から2003年までの預金通帳の提示を裁判で求めていることも明らかにした。
部落会側は「部落会の決算書や配分金の受領印はあるが、領収書類の紛失は多い」とし、詳細な支出入の帳簿との照合は難しいと話している。