工事進ちょく率63%/新宮古病院
来年5月開院目指す/地域連携会議で概要説明
ITネットワーク機能を充実
宮古島市、多良間村の各種15団体で構成する宮古病院地域連携会議(議長・安谷屋正明宮古病院長)が6日夕、同病院内会議室で開かれ、来年5月に開院予定の新宮古病院について、完成後の施設概要や建設進ちょく状況を安谷屋院長が報告した。今年8月末現在の同新病院建設進ちょく率は63%。昨年5月19日に着工し建設地の磁器探査、地盤改良工事に時間を費やしたが、予定する来年5月の開院に向けて、工事は急ピッチで進められている。
総事業費68億円(建設費約58億円)を投じて、建設が進められている新病院は、建築面積6183・72平方㍍、延べ床面積2万409・96平方㍍、地上6階建てのPC工法鉄筋コンクリート造りで、8月現在、躯体工事を終了した部分は、仕上げ工事や設備配管・配線工事、空調ダクトなどの屋内工事を同時並行で進めている。
安谷屋院長は、完成後の新病院では診療科が全20科になることや各階での外来、入院病棟施設の機能について、プロジェクターで平面図を投射しながら、部屋数など、その特徴を詳しく説明した。また、新病院は電子カルテが導入され、ITネットワーク機能が充実することに加え、これら高度情報通信システムを用いての遠隔地医療に向けた取り組みが同時に進められていることを解説した。
連携会議に出席した多良間村の下地昌明村長は、宮古地区の基幹病院が機能充実することを喜ぶとともに、多良間診療所との連携や遠隔医療の取り組みについて質問した。
これに安谷屋院長は「宮古病院だけでなく、多良間診療所も含めてITネットワーク化することが予定されている」と答え、医療人材についても、新病院には「総合医療」の診療科を設けて人材確保を図り、診療所への医師派遣に備えることなどを説明した。
また、川満弘志教育長が「宮古島出身の看護学生が、どの程度Uターンしているのか聞きたい」と質問したのに対して照屋清子看護部長は「現在、勤務している看護師の約60%は宮古出身だが、期待しているほど学生のUターン率は高くない」と述べ、高校生の看護体験などを通じてPRしていくことなどを話した。
会議ではこのほか、現在、内科医の不足によって新患受診制限が加えられていることについて事務局が説明し、早期解消を目指し、他の県立病院や民間病院に医師派遣を依頼していることを説明した。